2016年1月6日(水)に発売となる映画
『爆裂都市 BURST CITY』Blu-rayについて、監督の
石井岳龍、撮影監督をつとめた笠松則通がマスターの監修を行ないました。
オリジナルネガをスキャニングする方法でデジタル素材が作成され、そこから石井監督と笠松撮影監督が立ち会い、調整作業がなされたHDマスターが完成。通常のポジフィルムからのテレシネよりも圧倒的な情報量の多さで記録されたデータにより、発色や明暗を従来の作業よりも幅広く調整することが可能に。この方法では粒子感の強い画質となるため、フィルムで撮影された作品の特徴をより強調したものとなっています。
今回発売となるBlu-rayは、画面の発色や見え方が、石井監督・笠松撮影監督が制作当時に意図していた画面により近づいたものとなっているそうで、これまでDVDで発売されていたものとは異なる“新世紀ヴァージョン”とも呼べる仕上がりが実現しているとのことです。
オリジナルのネガからスキャンしたデータをもとに最新の技術を駆使した作業により、発色の純度もあがり、当時フィルムで見ることのできたものに近いものが仕上げられたと思います。この作品は当時、石井監督のエネルギーに引っ張られながら、自分たちの身の丈を超えて挑み、あの時の自分たちの限界に近いものが詰まっている。現場の技術的には稚拙な面もあって、その後カメラマンを続けられないとまで思いつめたものでしたが、今も作品を熱狂的に愛しているファンがいるのが嬉しい驚きです。自分にとっても愛おしい作品なので、生きているうちにマスターの監修で可能な限りベストな状態に近づけられて良かったです。――笠松則通監督として『爆裂都市』をそれなりの作品にまとめる気は毛頭ありませんでした。当時のイカした仲間たちと、映画でどこまで最果てにいけるかに挑みたかった。結果、限界を遥かに突破してしまい、収集のつかない混乱状態と帰還不能状態に陥り、契約封切りに間に合わせる為に残された作品は、ぶっ壊れたギャグや、不様で未熟なカオスもそのままに、完成度とは無縁の異様な玉砕状態で、若気の至りの馬鹿エネルギーの竜巻、欠陥もさらけ出す『永遠の未完成』の驚きとして、今でも不敵にアナーキーな輝きを放つ怪物になっていました。参加してくれた当時の仲間たちの情熱に、改めて、深く深く感謝致します。――石井岳龍(C)東映