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物語の生まれる場所 at 銀河劇場 vol.2東京 天王洲 銀河劇場
www.gingeki.jp/2015年12月24日(木)
開場 18:00 / 開演 19:00
出演: 大宮エリー / 原田郁子 / バンドメンバー: 芳垣安洋 / 高良久美子 / 鈴木正人
2015年12月25日(金)
開場 18:00 / 開演 19:00
出演: 大宮エリー / 原田郁子
前売 全席指定 4,500円(税込)
2日間通し券 8,000円(税込)
※通し券は銀河劇場チケットセンターのみの取り扱い
当日 全席指定 5,000円(税込)
[お問合わせ]
銀河劇場チケットセンター 03-5769-0011(平日10:00〜18:00)■
物語の生まれる場所 at 銀河劇場 vol.2 / Interview――昨年に続いて「物語の生まれる場所vol.2」が開催されるということですが、まずは今年も開催することになったいきさつから教えてください。大宮 「理由は2つあって。まず、去年やってみて手応えがあったんですね。“感動しました! またやってください”みたいなメールもいただいて、“こういうことを毎年できたらいいなぁ”って思ったというのがひとつ。あとは、5年前から原田さんとは仲良くしていて、3年前に〈変わる〉っていう曲を作ったんですけど、その曲を今年のクリスマスに発表したいなという思いがあって。それと、以前プラネタリウムの演出をやってほしいという依頼があったとき、いろんな星座がそれぞれの人に話しかけるようなお話にしたんですよ。で、その物語を原田郁子ちゃんの音楽が紡いでいくんですけど、それが結構好評で。じゃあ今年どうすんの?って思った時に、みんなでその空間を共有できたらいいなって思って、“耳で楽しむプラネタリウム”みたいなことがやれたらいいなって思ったんです」
――じゃあ、今回の公演は昨年のこのイベントの発展形でもあり、プラネタリウムのイベントの流れを汲むものでもあるんですね。大宮 「そうですね。しかも今年、開催がクリスマスなんですよ。だからいろんなことやらなきゃいけないな、みたいな(笑)。来てくれた人に“来てよかった”って思われるような演目にしようと思っています。前回の朗読と音楽のステージだけじゃなくって、星の個展の一部、〈星をかき分けて歩く〉とか、〈天の川が体にうつる〉などを会場内に再演したりとか……。小さかった頃、亡くなった父がクリスマスには絶対家に帰ってきてくれてたんですね。ふだんは仕事が忙しくてあんまり帰ってこなかったんですけど、クリスマスだけは一緒にレコードを聞いてくれて、1年どうだったかって話をして。ロウソクをつけて、その熱で回る天使のオモチャがあって……、そこでクリスチャンでもないのに父がみなの健康を祈り、それぞれ来年からどうしていくか、など考えるっていう(笑)。そういうのを毎年やってたんですけど、みんなとそんな、あたたかな、家族的で、そしてそれぞれにとって内面的な時間ができないかなと思ったときに、郁子ちゃんとならできるなって。郁子ちゃんには、会うたびに気づかされる。心に光が差し込むようなことがあったりして、そういう心のつながりみたいなことってやっぱり大事だよね、今発信していかなきゃいけないことって、そういうことなんじゃないの?って、思ったんです。焦りにも似た気持ち。いろんなエンターテイメントがあるけど、みんなに大宮チャペル的なことをやらないといけない!と勝手に思って(笑)。だからシスター・エリーとシスター・郁子がみんなの心に、なにかそれぞれが変わるきっかけ、や、きらきらしたものを点火する!みたいな。みんなの心の中をイルミネーションするぞ!みたいなことをやりたいんですよ」
――原田さんは今回、ライヴという形で共演されることについてどう思われていますか?原田 「そもそもエリーとは、たしかスチャダラパーのBOSEさんに“今から大宮エリーと会うんだけど、よかったら一緒に行かない?”って誘われたのが最初で、共通の知人がいたりすることもあって、仕事相手と思ったことはないです(笑)。ただ、同い年で、お互いがむしゃらに20代、30代をすごしてきて。私は音楽のことだけをずっとやっていて、彼女はいろんなことをものすごくエネルギッシュにやっていて、嬉しい時の“嬉しい!!!”とか悲しい時の“悲しい……”とか感情の降り幅が子どもみたいにむき出しで、面白い人だな〜って。でも時々大丈夫?って思うときがあって。“このままだと転ぶよー。エリー!ストップ!いったん落ち着こう”っていいたくなる時がある(笑)。本人はやるべきことに向かってただただ猛進してるんですけど、そこに集中するあまり、どっかで自分のこと――体とか気持ちとかを置いてきぼりにしちゃってるところがあるんですよね。私もそういうところがあるんでわかるんですけど。で、そういう時にたまたま会うんですよ。今年でふたりとも40になって、そろそろペースとか呼吸法を考えないと、体力も時間も限られてるから。そんな感じで、他の人にはあんまり話してない悩みとかそういうことをふたりで会って話すっていう時間があって。……だから、初めて曲を作ったときも速かったね」
大宮 「うん」
原田 「彼女が“言葉を書く!”ってなって、パソコンの前に座って一気に書き上げて。その集中力もすごかったんですけど、その言葉を見たときに、もうメロディが聞こえていて。で、“あ、できるかも”ってピアノに向ったらそのまま〈変わる〉っていう曲ができた。歌ってそんなにたくさんの言葉がいらないから、彼女の長い文章を要約したんですけど、“言いきれてないところをエリーが間奏で朗読してみたら?”って言って。一回ライヴでやってみたら、歌と言葉と音っていうのが混ざりながらひとつの物語ができていくような感じがあって、“なんかこれ、新しい!”って(笑)。ものすごくプライベートなところからでてくる何か。“ああ、こういうふうに歌ができることもあるんだな、ふたりにとってきっと必要だったんだな”って思ったんです。で、その後もエリーの言葉から〈つぼみ〉とか〈きどく〉って曲ができて。どれも一見、元気で明るそうにふるまってるんですけど、その人の内側ではこんなこと思ってたんだ、ってちっちゃいものを見せてもらったような言葉なんですよね。それが歌になったときに、映像みたいにすごく立体的に見えてくるっていうか……。だから、この2人でやってることのジャンルをなんて呼べばいいかがまだわからないんです」
――24日と25日でやることが違いますが、それぞれどんな感じなんでしょうか?大宮 「24日はクリスマス・パーティみたいな、大勢でわいわいやって音があふれるような感じ。スペシャルゲストも決定しました! まだシークレットですが、あっと驚くあの方が、飛び入り参加で歌ってくれます。そして、25日は来年にむけて2人だけで向き合って。巨大な絵を描きます。見ていてスカッとしますよ。色があふれる感じ。ヴァイオリンも弾くし絵も描くんですけど、いろいろありすぎて2人でやってる活動を1日ではできないなと思って(笑)。ライヴ・ペインティングは以前にも一緒にやったことがあって。郁子ちゃんが歌を歌うんですけど、2曲ぐらい聞くと絵が浮かんでくるんですよ。で、“海だな”と思って海を描くと、みんなもそう思ってたみたいで、“はいはいはい”みたいになるんですよ。私がみんなの最大公約数のきもちを、絵として描いていく。たとえば、聞いてると不安な感じがするなと思ってグレーの空を描いたらみんなが“そう〜、不安な感じ”を感じてたな〜って気づく(笑)。で、“あれ、まずい。不安にさせすぎちゃったかな?”って思ってたら、郁子ちゃんの音が救いっぽくなってくる。それで、“虹だ!”って思い、虹を描いたらみんなが“オー!”と、そうそう虹だ!と。だから、三者で物語を作ってるライヴ。まさに〈物語の生まれる場所〉。だからお客さんが第3の共演者なんです。そういうライヴ・ペインティングとさっきのプラネタリウムの話を同じ日に楽しめるのは、なかなかないかなと。24日は、みんなが盛り上がるクリスマスソングや懐かしの曲もやりますし、わーわー歌っていただけたら。スペシャル・ゲストがあんな曲歌う、ってのも面白いと思います。2日来ていただくのも、楽しいですよ。きっと、達成感あると思います。私たちと一緒に、やりきったな〜!って(笑)」