打ち込みとアーバンなサウンドに、シュールで捻りの効いたコントを融合させるという独特の世界観が人気を呼んでいる“ロシア系怪電波ユニット”こと
ザ・プーチンズがアルバム
『ナニコレ』の発売を記念したワンマンライヴ〈第一回「怪電波放送局」〉を12月26日(土)、27日(日)と東京・ニッポン放送のイマジンスタジオで開催しました。
2デイズのチケットはソールドアウトとなり、早くから注目を集めていたこの公演、冒頭はロシアからあの大統領“プーチン”を名乗る男がSKYPEで登場。「君たちの座っている椅子はワイからの寄付やで?」と何故か大阪弁で喋りはじめ会場を湧かせる。
続いて“TED”ならぬ“TEぷ”と銘打たれた、メンバーの街角マチオによる独演会が進行し新曲「ナニコレ」をJ-POPの革命と自画自賛。その後は同じくメンバーの街角マチコも登場、名曲「ぷりぷり」「恋愛契約書」とライヴはスタート。
すると突然、「むか〜し昔、席を立って椅子を反対向きに座るお客様がおりました……」とのナレーションから観客に“逆向き”で座るように指示すると、イマジンスタジオ上部の照明部屋の窓が開き、そこではラジオでお蔵入りとなった伝説の番組『怪電波放送局』がスタートするという粋な仕掛けが開幕。“ザ・プーチンズ第3のメンバー”の川島さる太郎と、大物ドラマーという噂の“うんころもち”、ザ・プーチンズが加わりラジオの収録がはじまると再びロシアからプーチンが登場(会場にワープしたとか)。人気曲「古墳の歌」に電子楽器テルミンで参加するや見事な演奏を披露し拍手喝采を浴びました。……がしかし、プーチンが日本に来た理由はテルミンを弾くためではなく、番組スポンサーとして請求書にある不明な点“うんこ代 5,000万円”を問い正すため。これによりザ・プーチンズの水増し請求が発覚しこれが理由で『怪電波放送局』はお蔵入りになったいうオチ……(楽屋にはテルミン奏者である、
あらかじめ決められた恋人たちへのメンバー、クリテツの姿があったとかなかったとか)。
後半は、ボサノヴァ・ナンバー「日本電波塔の歌」、軽快なダンストラック「でんぱでんぱ」で会場の盛り上がりもヒートアップ。ライヴのみで披露されている「バックヤード」では突然、街角マチコが「ニッポン放送の地下には秘密の神社、電波神社があります」「皆さんで電波神社をお参りに行きましょう!」と観客をステージ裏のバックヤードへ連れていくと、楽屋前にあったのは“赤い鳥居”。ライヴに来たはずがお参りをする、まさかの展開に従うしかない観客は、巫女に扮した街角マチコから“御みくじ”と称したサイリウムを受け取り席に着くと、ステージでは街角マチオによる創作ダンスが披露されるという、まさにカオスな状況に飲み込まれていきました。
さらに、懐かしい健康器具を揃えたミュージック・ビデオが評判を呼んでいる「ナニコレ」をパフォーマンス。最後は会場が一丸となってサビの「気持ちいー!」を叫び、謎の一体感と高揚感に包まれた終盤に続き、アンコール曲の「すしてるみん」ではメンバーらが観客を巻き込み、シャリに見立てた全身白タイツに巨大な寿司ネタをしょって会場を回遊する……。音楽、コント、演劇、大物ゲスト、お参りと、ザ・プーチンズならではの豪華な宴は、見事な光景で締めくくられました。