有名な指揮者
ネーメ・ヤルヴィ(Neeme Järvi)の末っ子にして、昨年N響首席指揮者に就任した
パーヴォ・ヤルヴィ(Paavo Järvi)の弟、クラシック音楽の境界線を押し広げるようなユニークな音楽的個性が話題の指揮者
クリスチャン・ヤルヴィ(Kristjan Järvi)による新たなレコーディング・シリーズ“チャイコフスキー・プロジェクト”が始動。プロジェクトの第1回目として、
『チャイコフスキー: 劇付随音楽「雪娘」』(SICC-30264 2,600円 + 税)と、クリスチャン自編による
『チャイコフスキー: バレエ音楽「白鳥の湖」組曲(K.ヤルヴィ編)』(SICC-30265 2,600円 + 税)が4月27日(水)に2タイトル同時発売されます。また、5月18日(水)と22日(日)には2年ぶりの来日公演として、サントリーホールで
東京都交響楽団との共演が予定されています。
劇付随音楽「雪娘」は、当時の人気劇作家アレクサンドル・オストロフスキー(Alexander Ostrovsky)と33歳の
チャイコフスキーがタッグを組んで作り出した、ベレンジェイという伝説上の王国に住む“雪娘”の悲恋がテーマの作品。序曲や間奏曲などのオーケストラ曲、合唱、舞踊曲、アリアなど19の音楽から構成され、チャイコフスキーらしい親しみやすい民謡風の旋律に彩られたファンタジーあふれる音楽です。本アルバムに収められているのは、“北欧(ノルディック)”をテーマに掲げたドイツの楽都ライプツィヒにおける
MDRライプツィヒ放送交響楽団2014 / 15年シーズンの開幕を飾った演奏会のライヴ録音で、「チャイコフスキーが作品に込めた自然と平和の祈り、清らかなるものへの憧れは、自分のルーツであるバルト海周辺の民族の精神そのものだ」と語るクリスチャンが全身全霊を持って描き出した演奏。全曲録音はそれほど多くないこの作品ですが、秘曲好きで知られる父ネーメも1994年に
デトロイト響と録音しており、その盤はスタンダードとして評価されていました。
一方、同時リリースされる「白鳥の湖」は、古今のバレエ音楽のなかでももっとも美しいと評価される作品のひとつ。本アルバムは、クリスチャン本人によって新しく選曲・構成された演奏会用組曲の世界初録音です。有名なナンバーのみならず、バレエ上演ではカットされることの多い技巧的なヴァイオリン・パートを含む個所も復活させ、約68分にまとめることで、踊りなしでもストーリーを追えるかのような鮮やかな情景描写が実現されています。2010年以来クリスチャンが音楽監督を務めるグシュタード音楽祭管弦楽団と、2015年の音楽祭の後に行なわれたヨーロッパ・ツアーの途上、シュトッゥトガルトでの公演をライヴ収録したものです。
クリスチャンによる「チャイコフスキー・プロジェクト」では、「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」が続く予定です。