日本を代表する作曲家 / ピアニストの
野平一郎が浜離宮ピアノ・セレクションに初登場するリサイタル〈野平一郎 ピアノ・リサイタル
Moments musicaux〉が、6月16日(木)東京・築地 浜離宮朝日ホールで開催されます。
野平は、古典から現代音楽にいたる幅広いレパートリーを持ち、的確な楽曲分析と色彩豊かなピアノの音色で国内外の多くの演奏家が厚い信頼を寄せる、日本を代表する音楽家のひとり。作曲家、コンサート・ピアニストとして活躍しています。
野平は今回のリサイタルで、“小品”といわれる短い時間で完結する作品を集めて演奏。
バッハや
ベートーヴェン、
シューベルトから現代の作曲家クルターグや
篠原 眞の最新作まで、古典から現代音楽にいたるさまざまな作曲家の小品を集め、作曲家ならではの視点で小さな作品に込められた瞬間のメッセージとその歴史を紐解いていきます。
この公演に寄せて、野平は「今回は“小品の歴史”でプログラムを組んでみました。ソナタ等の長大な展開を必要とする作品ではなく、瞬間のメッセージ、正にシューベルトがタイトルに付けた〈楽興の時〉のように、どのように短い時間の中で作曲家が言いたいことを述べるのか、歴史を追って見てみたいと思いました。バッハは見開き2ページにどうしたら最適な音楽を展開できるのか苦労しました。ベートーヴェンの創始したバガテル、それはけっしてソナタでは見ることのできない特別な展開が待っています。〈楽興の時〉とは何と素敵なタイトルでしょう。そしてこうした古典の作曲家たちの小品の数々はドビュッシーを経て20世紀へと続いて行きます。クルタークはまさに“ミニチュアール”の巨匠。〈遊び〉からの抜粋である3つのオマージュは、極端な静と動の対比が織り込まれています。そして篠原 眞の最近作では音楽言語のさまざまな様相をとらえた24の小品が並びます。ぜひ瞬間の美を楽しもうではありませんか」とコメントを寄せています。