2016年3月5日にその86年の生涯をとじた
ニコラウス・アーノンクール(Nikolaus Harnoncourt)が、自らの音楽人生の総決算と考え発売を熱望していた
『ベートーヴェン: ミサ・ソレムニス(2015年ライヴ)』(SICC-30279 2,600円 + 税)が6月22日(水)に発売。2015年7月、オーストリア・グラーツの〈シュティリアルテ音楽祭〉におけるライヴ・レコーディングで、81分30秒を1枚に収めた長時間収録盤です。
2015年の〈シュティリアルテ音楽祭〉では『ミサ・ソレムニス』のほか、ふたつの演目が予定されていましたが、アーノンクールは体調不良のためそのひとつをキャンセル。万全の姿勢で『ミサ・ソレムニス』の3回の上演に臨みました(7月4日〜6日)。手兵
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスと
アルノルト・シェーンベルク合唱団、選り抜きの歌手陣を揃えた公演はオーストリア放送協会によってTV生中継も行なわれ、大きな話題を呼びました。その後アーノンクールは〈シュティリアルテ〉でもう1演目(ハイドン: 交響曲第97番、戦時のミサ)を指揮し、さらに7月22日にはザルツブルク音楽祭に出演してメゾ・ソプラノ以外は同一メンバーで『ミサ・ソレムニス』をもう一度指揮しており、これがアーノンクールにとって生涯最後の演奏となりました。
引退表明後のアーノンクールは、みずからの音楽的遺言ともいうべきこの『ミサ・ソレムニス』の完成に力を注ぎ、リハーサルも含めた全録音素材を試聴・確認、彼の綿密な編集指示をもとに長年アーノンクールの録音を手掛けてきたテルデックス・スタジオのマーティン・ザウアーがマスターをリミックス・編集して完成させました。アーノンクールの最終遺志がすみずみまで行き届いた、60年以上におよぶアーノンクールの音楽活動の集大成と位置づけられる作品といえるでしょう。
■2016年6月22日(水)発売
『ベートーヴェン: ミサ・ソレムニス(2015年ライヴ)』SICC-30279 2,600円 + 税
[収録曲]
ベートーヴェン:
01. ミサ・ソレムニス ニ長調op.123
[演奏]
ニコラウス・アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、アルノルト・シェーンベルク合唱団[合唱指揮: エルヴィン・オルトナー] / ローラ・アイキン(S) / ベルナルダ・フィンク(Ms) / ヨハネス・チュム(T) / ルーベン・ドローレ(Bs)
[録音]
2015年7月4日〜6日 グラーツ シュテファニエンザール