脳出血から2年後、“左手のピアニスト”として復帰した
舘野 泉。2016年11月10日(木)に80歳の傘寿を迎える舘野は、誕生日と同日に東京・初台 東京オペラシティにて〈舘野泉 傘寿記念コンサート〉を開催。一夜で4つの協奏曲に挑むこの公演に際してはクラウドファンディングが企画され、舘野が選んだ作品を演奏するために必要な音楽著作権料、楽譜の使用料、レンタル料のために80万円の目標が設定されています。「Kibidango」(
kibi.co/tatenoizumi_3)にて実施されており、締切は11月5日(水)。
以前は日本にひとつもなかった「左手のピアノ曲」。それが舘野の活動に感銘を受け、第一線で活躍する作曲家やアーティストたちが数多の作品を献呈したことで、今では80曲近くの「左手のための作品」ができあがりました。委嘱によって左手の作品が増えることは、右
手に障害を抱えるピアニストの活動を支える効果をもたらし、世界に活躍の場を与える一助となります。
通常、1回のコンサートで演奏される協奏曲はひとつ。しかし本公演で、舘野は4つの協奏曲に挑みます。左手だけで弾くことはつねに手を動かすことになり、正確なタッチを行なうには両手の時とは違う奏法が必要となるうえ、鍵盤の端から端へと移動するのに大きく体をひねったり無理な姿勢を取ることが多いため、長時間のコンサートにはかなりの持久力が必要。80歳の舘野による、大きなチャレンジです。