マイルス・デイヴィス初の伝記映画「
MILES AHEAD / マイルス・デイヴィス 空白の5年間」の公開初日となった12月23日(祝・金)、前日に来日公演を終えた同作の音楽担当 /
サウンドトラック・プロデューサー、
ロバート・グラスパー(Robert Glasper)が急遽初日舞台挨拶に登壇。
前日まで行なわれていた東京・南青山 Blue Note TOKYOでの公演について「とっても素晴らしい演奏ができた。キモチイイ!」と日本語を交えてコメントしたグラスパーは、本作に参加した経緯について質問されると「この作品の監督・主演である
ドン・チードルが、個人的に“君の音楽が好きだ”とTwitterで連絡をくれたんだ。そこから共通の知り合いだったヴィンス・ウィルバーンJr.(マイルスの甥であり本作のプロデューサー)が繋いでくれて、正式にこの映画の音楽をやらないかとドンからオファーをもらった。ドンとヴィンスは、マイルスと一緒に演奏をしていたハービー・ハンコックに僕がマイルスのこの作品に加わることをどう思うかと聞いていたんだが、ハービーは“彼ならいい仕事をするだろう”と僕のことを褒めてくれたみたいなんだ。とても嬉しかった」とエピソードを披露。
また「最初はマイルスの音楽を担当することは、とてもプレッシャーを感じたし、怖かった。いろいろ悩んでいたんだけど、ドンがマイルスの音楽要素に、僕自身の要素も加えてほしいと言ってくれたんだ。マイルスは、ジャズ・ミュージックの垣根を越えて時代を象徴した音楽を作った人として知られている。だから僕は、そこに少し“未来”を意識したエッセンスを取り入れてレコーディングに挑んだよ。僕にとってマイルスはひとりの素晴らしいトランペット奏者、というのではなく、アイディアそのものなんだ。自由、恐れない心、進化、前進……あらゆるアイディアをくれるんだよ。偉大なミュージシャンだね」と“ジャズの帝王”マイルスへのリスペクトを語りました。
最後に日本の観客へメッセージをリクエストされると、「映画の一番の見どころは、ラストのセッション・シーン。なんてったって僕が出演しているんだからね(笑)!というのは冗談で、本当にこの映画自体とても素晴らしい作品となっているから、オープン・マインド(自由な発想)を持って観てほしい。マイルス・デイヴィスは普通の人ではない。だから普通の映画だと甘く見てちゃいけないよ。覚悟してね!」とジョークを交えて会場を沸かせました。