現在最高の人気を誇り、充実した活動を続けるテノール歌手の
ヨナス・カウフマン(Jonas Kaufmann)が、
ジョナサン・ノット(Jonathan Nott)指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との共演で、全曲を単身で歌い通した公演のライヴ録音『
マーラー: 大地の歌』(SICC-30425 2,600円 + 税)を4月12日(水)にリリース。この曲の全楽章をテノール1人が歌いきるのは、演奏・録音史上初。
マーラーの交響曲「大地の歌」は、交響曲と歌曲を融合させたかのような作品。中国の李白、孟浩然、王維らの漢詩を自由に翻案した歌詞が付された全6楽章を、通常は声域の異なる2人の歌手が歌い分けます。しかしこの公演でカウフマンは、全楽章を1人で歌いつくし、前人未到の領域へチャレンジ。ウィーンでは「この作品の構想のスケールの大きさが、1人の歌声によって統御される様は感動的」と絶賛されました。
指揮は、1962年イギリス生まれで東京交響楽団、スイス・ロマンド管弦楽団の音楽監督を務めるノット。2003〜2011年にかけて
バンベルク交響楽団とマーラーの交響曲全集をスイス TUDERレーベルに録音し、マーラー演奏の大家として高く評価されています。「大地の歌」は2016年2月にバンベルク響、
ロベルト・サッカ(テノール)、
スティーヴン・ガッド(バリトン)とともにTUDERに録音しており、短期間に2つのオーケストラを振り分けた録音がリリースされるのも異例。またノットにとっては、今回がウィーン・フィルとの初録音となります。
オーケストラは、マーラーが首席指揮者を務め、
ブルーノ・ワルター(Bruno Walter)、
レナード・バーンスタイン(Leonard Bernstein)、
ピエール・ブーレーズ(Pierre Boulez)など時代に応じて「大地の歌」の名盤を生み出してきたウィーン・フィル。その鮮明かつ濃厚な響きが最新録音で目覚ましく捉えられています。