ロシアの巨匠ヴィクトール・メルジャーノフ(Victor Merzhanov)の薫陶を受け、〈ジュネーヴ国際コンクール〉最高位、〈シューベルト国際ピアノコンクール〉優勝などを果たし、現在はドイツを拠点に欧州で活動するピアニストの
原田英代が、3月2日(金)に〈原田英代 ピアノ・リサイタル 第2回「葛藤」〉を東京・富ヶ谷 Hakuju Hallで開催。リサイタル後の3月8日(木)には、〈原田英代 レクチャー&マスタークラス〉を同会場で実施します。
“人間ドラマと音楽”を辿る全5回のリサイタル・シリーズの第2回となる本公演。今回は“葛藤”をテーマに、ロシア音楽の発展に深い関わりを持つドイツ音楽から
ベートーヴェン、
シューマンの作品、ロシア音楽から
メトネルと
ラフマニノフの作品が選曲されています。レクチャー&マスタークラスは、弦の動きに注目する内容。調律師の高田 努がゲストに迎えられ、ストロボ装置が写し出す弦の振動を見ながら、タッチと弦の動きについてのトークが行なわれます。
公演とレクチャー&マスタークラスについて、原田は「ドイツとロシアの音楽で人生ドラマを綴るシリーズ第2回目のテーマは“葛藤”。前半は創造主に戦いを挑んだベートーヴェンの〈悲愴〉ソナタと、シューマンが“悲愴的”と名付けるつもりであった〈交響的練習曲〉、後半はロシア革命期にドイツ人として苦難を強いられたメトネルの〈回想ソナタ〉と、帝政ロシア時代からのロシア音楽を継承するラフマニノフが時代の流れに反して苦悩の中で生み出した小品です。いずれの作品にも不安、苦悩、昂ぶったパトスが存在しますが、ドイツ人とロシア人の違いは興味深いところです。レクチャーでは、音がいかにピアノの弦の動きと関わってくるか、実際に弦の動きを目で見ながら音の表現と奏法を探ります」とコメントしています。
photo ©Uwe Arens