レキシ 2018/04/11掲載(Last Update:18/06/08 12:16)
日本の歴史をコンセプトに活動する
池田貴史のソロ・プロジェクト、
レキシが、4月7日に東京・江戸東京博物館にてスペシャル・ライヴを開催。事前抽選の当選者を含む約300人のファンが会場に詰めかけました。
この公演は、江戸・東京の歴史に触れ、理解を深めることができる場所として1993年に開館した東京都江戸東京博物館が4月1日に再オープンしたことを記念し、〈EDO→TOKYO VISION〉と題して4月1日と4月7日に開催されたイベントの一環として行われました。当日はレキシのスペシャル・ライヴ以外にも古今亭菊千代(一般社団法人落語協会 真打)による落語や江戸の専門家と現代の活動家によるトークセッションなど、“江戸東京の歴史・文化とつながる”をテーマとした様々な催しが開かれました。なお江戸東京博物館では、特別展示〈写楽の眼・恋する歌麿−浮世絵ベストコレクション−〉を5月6日(日)まで、〈NHKスペシャル関連企画「大江戸」展〉を5月13日(日)まで開催しています。
レキシは、館内の5階フロアにある芝居小屋“中村座”前の特設ステージにて全4曲を披露。4曲とはいえ、曲中に何度もMCを挟んで脱線しては観客たちの笑いを誘い、間奏ではおなじみのコール&レスポンスを展開するなど、単に曲数では計れない濃密なパフォーマンスがレキシのライヴの持ち味。3曲目の「狩りから稲作へ」が終了したところで演目の予定時間を迎えたものの、「時間が来たけど次の曲やるよー!」と叫び、続けて「きらきら武士」を披露。最後の「武士武士武士!」コールで場内は一体化。演者も観客もこの日限りのシチュエーションで行われた約45分のショーを満喫し、大盛況のもとにライヴは終了しました。会場後方や吹き抜けの6階フロアの橋の上など、博物館の見学に訪れている人も足を止めてライヴに見入っていました。
[ライヴ・レポート]
特設ステージには“レキシ”と書かれたおなじみののぼりが立っている。椅子に座る客層の約7割は女性。子供連れの親子の姿も散見される。今回も楽しいライヴになると予見しているのだろう、開演を待つ客の表情はみな輝いて見える。開演時刻となり、「はいっ、やりましょう」と言いながらレキシが真っ先にステージに現れる。やや遅れて3人のライヴ・メンバーが登場するが、レキシはメンバーがスタンバイする前に「1曲目は江戸にちなんだ曲をやります」と言っていきなり「年貢 for you」を歌い始め、3人を慌てさせる。この一連の流れに場内は早くも大きな笑い声に包まれる。曲中に「はじめまして。竹内涼真です。そこまでイケメンじゃない?竹原ピストルです」とMCを始め、いつものように脱線。橋の上から鑑賞している観客に向かっては「頭が高い!」、後方の立ち見客には「抽選が外れた人たち? 残念な方たちなんですね」と弄ってさらなる観客の笑いを誘う。間奏では“江戸・東京”にちなみ、TOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」をプレイして観客にシンガロングを要求。気を良くしたレキシは「江戸つながりでエド・シーランもやってみるか」と続けるも、「でも彼の曲なんてまったくシーラン」とオチをつけ、ひっきりなしに場内を沸かせた。
2曲目の「SHIKIBU」を終えると「再オープンおめでとうございます!」と声高々に祝福。池田は以前、江戸東京博物館の近くに住んでいたため曲作りに煮詰まるたびに訪れていたらしく、「僕にとってこの場所はパワースポット」と心境を吐露。またたくさんある同館の見どころのひとつとしてステージ後方の地層タワーを挙げると、「まさかこの場所でライヴができるなんて。レキシの活動はこのときのためにやっているといっても過言ではない」と感慨深げに語った。館内の見物客には「うるさくてごめんなさいね、あと2曲ですぐ終わりますから。でもその1曲が長すぎるんです!」と宣言し、「狩りから稲作へ」をパフォーマンス。間奏ではイベント関係者にコール&レスポンスを促したり、観客の子供に「おまえを養子にしてやろうかー」と話しかけたりして好き放題にレキシワールドを展開。最後は「江戸博!」コールを巻き起こし、観客たちと最高の時間を楽しんだ。ここでステージに用意してあったタイマーが切れ、パフォーマンスの予定時間は終了したものの、レキシは「まだあの曲やってないよね? 時間来たけど次の曲やるよー!」と叫び、「きらきら武士」を披露。終盤には恒例の「武士武士武士!」コールで、ヴォルテージは最高潮に。楽曲が持つグルーヴと細部にまで行き渡るエンターテインメント性があってこそ生まれる幸福なステージ。レキシは今宵もたくさんの笑いに包まれたライヴを披露し、「江戸博また来てね!」と快活に叫んでステージを去っていった。文 / teri