現代クラシック・ピアノ界の若き異才、
反田恭平がアルバム『
ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第3番 / ピアノ・ソナタ第2番』(COCQ-85458 3,000円 + 税)を2019年2月20日(水)にリリース。
難曲として知られる
ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は、反田が高校在学中に史上最年少(当時)で優勝した〈第81回日本音楽コンクール〉(2012年)の決勝で演奏した楽曲。反田にとって“原点”ともいえるこの名曲に、デビューから3年を経てあらためて立ち向かっています。録音は今年10月25〜26日、露モスクワのラフマニノフ・ホールでセッション・レコーディングされました。
今回の録音では、数トンもの重さがあるステージ上の防火壁が原因不明の誤動作を起こし、ピアノの上に落下するというハプニングも。ピアノ近辺にいた反田のとっさの判断で、接触寸前にピアノの蓋を閉めたことによりピアノの全壊は免れたものの、初日のレコーディングは途中で中止。当初丸2日間予定されていたレコーディングは大幅な短縮を余儀なくされました。さらに反田は、ラフマニノフの生地であるロシアの名門オーケストラに日本の若手ピアニストが単身立ち向かう構図にかなりのプレッシャーを強いられたと述懐。アウェーともいえる状況と限られた時間内で繰り広げられた演奏には、セッション録音でありながら、まるでライヴのような緊張感が漲っています。
カップリングは、日本の福島音楽堂でレコーディングされた、同じくラフマニノフのピアノ・ソナタ第2番 (1931年改訂版)と「10の前奏曲」第2番と4番を収録しています。
なお反田は、2019年1月から“オール・ショパン・プログラム”でのソロ・ツアーを日本全国で開催。さらに2月からは、
佐渡裕指揮
日本センチュリー交響楽団との共演で、本作収録曲のラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を各地で演奏します。