1969年1月2日から31日まで、レコーディング・スタジオで作業する
ビートルズ(The Beatles)をとらえた55時間に亘る未公開映像と、140時間分の音源をもとに、『
ロード・オブ・ザ・リング』の監督
ピーター・ジャクソンがビートルズの新たな映画を製作することが決定しました。タイトルと公開時期は未定。1969年のビートルズはメンバー間の関係がぎくしゃくしていたと言われているものの、提供されたすべての映像と音源に触れたピーター・ジャクソン監督は「長年言われて来たような仲違いの記録ではありません。彼らの仲の良さには本当に驚かされます」と述べています。
69年1月にビートルズは翌年発売されるアルバム『
レット・イット・ビー』を制作しており、新作映画で用いられる映像は、テレビで放送される特別番組のために撮影していたものです。このときの映像は、同年1月30日にアップル本社の屋上で行なった“ルーフトップ・コンサート”と呼ばれるゲリラ・ライヴの模様を交え、映画「レット・イット・ビー」として70年に公開されています。この映画は現在では観ることが困難ですが、新作映画公開にあわせてレストアされ、公開される予定となっています。
ピーター・ジャクソンは素材となる映像と音源、そして当時のビートルズについて、「55時間分の未公開映像と、140時間分の音源を使わせてもらうことができるので、この映画をビートルズ・ファンが長らく夢見ていた“現場に立ち会う”という究極の映像体験にしようと思っています。つまりタイム・マシーンに乗って1969年に戻り、スタジオで4人が素晴らしい音楽を作っている現場に居合わせるような体験です」と語り、また「マイケル・リンゼイ=ホッグが、解散の18か月前に撮影した映像、そして音源をすべて確認ところ、これらが素晴らしい宝の山だということに気づいたのです。もちろん(メンバー間の)感情的な行き違いの瞬間も捉えられていますが、これは、このプロジェクトが長年言われて来たような仲違いの記録ではありません。
ジョン、
ポール、
ジョージ、
リンゴの4人が、今では名曲となっている楽曲を一から共に作りあげていく様子は、素晴らしいだけでなく、面白く、気分が高揚する体験で、また彼らの仲の良さには本当に驚かされます」とコメント。さらに、「このような素晴らしい映像を託してもらえたことを非常に光栄に思っています。この映画製作は、私にとっては心から楽しい作業になるでしょう」と述べています。
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