フランクや
イザイを生んだベルギーの古都リエージュの名楽団、
ベルギー王立リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団が、同団の音楽監督を務める
クリスティアン・アルミンク(Christian Arming)に率いられ、コンビ初の来日公演を6月29日(土)京都コンサートホール、6月30日(日)東京・錦糸町 すみだトリフォニーホール、7月1日(月)東京・赤坂 サントリーホールで開催。公演に先駆け、2月25日(月)にはすみだトリフォニーホールで記者会見が行なわれ、アルミンクとベルギー王国大使館公使参事官のイエルーン・ヴェルゲイレン(Jeroen Vergeylen)、すみだトリフォニーホールのプロデューサー上野喜浩、招聘元であるKAJIMOTOの代表取締役社長 梶本眞秀が登壇し、公演への意気込みやリエージュについて語りました。
リエージュ・フィルは1960年、指揮者ファルナン・キネ(Fernand Quinet)がベルギーのフランス語圏であるリエージュに創設したオーケストラ。
ルイ・ラングレ(Louis Langrée)や
パスカル・ロフェ(Pascal Rophé)、
フランソワ=グザヴィエ・ロト(François-Xavier Roth)といった個性的な指揮者たちが音楽監督を務め、2011年からはアルミンクが音楽監督に就任し、楽団を率いています。
アルミンクは、オーストリア・ウィーン出身の指揮者。
レオポルト・ハーガー(Leopold Hager)や
小澤征爾らのもとで研鑽を積み、
ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者やルツェルン歌劇場音楽監督およびルツェルン交響楽団首席指揮者などを経て、2003年から2013年まではすみだトリフォニーホールを本拠地とする
新日本フィルハーモニー交響楽団の音楽監督として、意欲的なプログラムを展開しました。
コンビ初の来日となる本公演では、ベルギーのフランス語圏生まれで早逝した作曲家
ルクーによる「弦楽のためのアダージョ」、ギター・ソロに
鈴木大介を迎えての
タン・ドゥンによるギター協奏曲「Yi2」、ピアノ・ソロに
小林愛実を迎えての
モーツァルトのピアノ協奏曲第20番、
ブラームスの交響曲第1番、オルガンにティエリー・エスケシュ(Thierry Escaich)を迎えての
サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」を組み合わせた曲目が予定されています。
記者会見でアルミンクは、リエージュ・フィルのカラーについて、「音の特色として、まずはいわゆるフレンチの、フランス式の伝統的な色があります。リエージュは物理的にもフランスに非常に近く、速い電車に乗ったら3時間くらいの距離です。と言いながらも、ドイツもものすごく近いんです。なのでドイツのオーケストラの特色の、重く深遠な色も併せ持ったオーケストラです」と語り、曲目については「ブラームスの交響曲第1番は、私の大好きな曲。サン=サーンスの交響曲第3番〈オルガン付き〉を演奏できるのも嬉しいですし、オルガニストのティエリー・エスケシュさんはすばらしいオルガニストであるばかりでなく、すばらしい作曲家でもあります。こういった方々と共演できるのも、ほんとうに楽しみです。プログラムはそのほかに、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番や、タン・ドゥンのギター協奏曲〈Yi2〉もあります。そしてベルギー人の作品として、ルクーの〈弦楽のためのアダージョ〉も演奏します。これは12分くらいの小さい曲なのですが、以前新日本フィルとも演奏していますので、もしかすると覚えていらっしゃる方がおられるかもしれませんね」と紹介。さらに、「今回のツアーをとてもとても楽しみにしています。こちらのすみだトリフォニーホールもそうですし、サントリーホール、それから京都コンサートホールにも参りますことを、すごく楽しみにしています」とツアーへの期待をコメントしました。