ベートーヴェンの大家として知られるオーストリアのピアニスト、
ルドルフ・ブッフビンダー(Rudolf Buchbinder)が、世界最古のクラシック音楽レーベル「ドイツ・グラモフォン(DG)」と専属契約を締結。DGでの最初の録音として「ディアベリの主題による変奏曲」を2020年3月にリリースする予定です。
以前にも
ベートーヴェンの大作『ディアベリの主題による変奏曲集』を録音しているブッフビンダー。今回は「ディアベリの主題にもとづく変奏曲」を現代作曲家11人に委嘱する企画を実現。この新しい変奏曲集はDGで録音されるほか、2020年のツアーでも披露される予定です。委嘱された作曲家は、
クシシュトフ・ペンデレツキ、
ロディオン・シチェドリン、
ブレット・ディーン、
マックス・リヒター、
イェルク・ヴィトマン、
細川俊夫、
レーラ・アウエルバッハ、ブラッド・ラブマン、
フィリップ・マヌリ、ヨハネス・マリア・シュタウト、
タン・ドゥンの11名です。
今回の11曲の作品は、オーストリア・ウィーンのムジークフェラインで世界初演予定。このコンサートでは、ベートーヴェンの変奏曲集、ディアベリのオリジナル曲集から選ばれた作品も演奏されます。またブッフビンダーは、11の新作品を含めたプログラムで世界各地で演奏旅行を行ないます。
ブッフビンダーは、「60年以上におよぶコンサート活動の中で、私が目標としてきたのは、最終的な演奏解釈の中で伝統と革新性、忠実さと自由、確実さと寛容を、つねに融合させることでした。ドイツ・グラモフォンは、こうした私の価値観をつねに認めてくれました。この姿勢は、芸術表現の世界ではみごとな手本と言うべきものです。私は今後もこのような形で手を携えていけることを、楽しみにしています」と語っています。
©Marco Borggreve