EXILE MAKIDAI、
VERBAL、
DJ DARUMAの3人からなるクリエイティヴ・ユニット、
PKCZ®が、6月4日(火)に新曲「CUT IT UP feat. CL & AFROJACK」をデジタル・シングルとして世界同時リリース。リッチ・ブライアンやハイヤー・ブラザーズ、フィルシー・フランクことジョージなどアジア圏出身アーティストをUSヒップホップ / R&Bシーンに送り込むアジアンカルチャーの興隆を象徴するレーベル「88rising」からのリリースとなります。
海外アーティストとのコラボレーションをはじめ、ファッションやアートなどジャンルにこだわらず多方面にわたる活動でシーンに話題を提供しているPKCZ®が新曲の客演に招いたのは、元
2NE1のリーダーで昨年は
ブラック・アイド・ピーズと「ドープネス」で共演して注目された
CLと、〈Tomorrowland〉〈ULTRA MUSIC〉など世界最大級のEDMフェスティバルのヘッドライナーを務める世界的DJの
AFROJACKという、ワールドワイドに活躍するアーティスト。同日公開のMVでは、映画『
キル・ビル』の殺陣チームが制作に参加。PKCZ®とCLが華麗なアクションを披露するほか、AFROJACKが和装で登場するなど見どころ溢れる仕上がりとなっています。
なお、新曲リリースに先駆けて、「ヒットの崩壊」(講談社現代新書)などの著作で知られる音楽ジャーナリスト、柴 那典によるライナーノーツも公開されています。
これはもはや「J-POPの世界進出」ではない。2010年代後半の世界の音楽シーンにおける「アジアの躍進」を象徴するような、ビッグサプライズだ。アーティストもリスナーも当たり前のように国境を超え、アメリカもヨーロッパもアジアも一つになったグローバルな潮流が日々生まれている時代を新たなクリエイティブの力で“一閃”するような、ワクワクする挑戦だ。
PKCZ®が6月4日に世界同時リリースする新曲「CUT IT UP feat. CL & AFROJACK」。そこには語るべき沢山のトピックがある。1曲の中に沢山の革新が重なっている。いくつかのキーワードからそれを解説していこう。
1つ目は、この曲がレーベル「88rising」からリリースされる、ということ。88risingは、今アメリカのヒップホップシーンで最も勢いのあるレーベルの一つだ。インドネシアのRich Brian、中国のHigher Brothers、また関西生まれのオーストラリア系日本人Jojiなど、アジアにルーツを持つアーティストたちが所属しているのがその特徴だ。
Jojiのデビューアルバムがアジア人として初めてビルボードの「ヒップホップ / R&B」チャートで1位を獲得するなど、本場アメリカのヒップホップシーンにてアジア圏のアーティストに前例のない成功をもたらしている同レーベルからPKCZ®がリリースされるということは、つまり彼らの存在がその文脈で世界中の音楽ファンに受け止められる、ということだ。
PKCZ®と88risingには以前から深い関係もある。2018年2月にリリースされたPKCZ® , SNOOP DOGG, YULTRON名義の世界デビュー曲「BOW DOWN feat CRAZYBOY」のMV制作を手掛けたのも88rising。そのエキゾチックな映像美はサムライと刀をフィーチャーした今回のミュージックビデオ にも引き継がれている。
2つ目は、アジアを代表する女性ラッパーの1人であるCLがフィーチャリングに参加していること。ガールズグループ2NE1のリーダーとして活躍し、その後ソロとして本格的にアメリカへと活動の場を移したCLは、数々のK-POPグループがグローバルな成功をおさめる今、G-DRAGONなどと並びその先駆者的な存在としてリスペクトを集める1人と言っていい。ディプロ&スクリレックス、リル・ヨッティ、ブラック・アイド・ピーズらの楽曲にも参加してきた彼女の迫力あるラップが、この「CUT IT UP feat. CL & AFROJACK」の一つの聴き所になっている。
3つ目は、オランダが生んだ世界的アーティスト、AFROJACKもコラボに参加していること。LDH EUROPEのCEOでもある彼は、この曲では共同プロデュースとEDITを担当している。グラミー賞も受賞し、世界のDJをランキングする「DJ MAG TOP 100 DJs」ではトップ10の常連と、まさにグローバルな音楽シーンををリードする彼にとっても、この曲への参加は一つのチャレンジと言っていいだろう。
そして最後は、EXILE MAKIDAI、VERBAL、DJ DARUMAからなるPKCZ®の「クリエイティブユニット」としての未来の大きな広がりだ。90年代のヒップホップ・カルチャーをベースに、ジャンルレスな音楽性を展開してきた彼ら。これまでもMETHOD MANやSNOOP DOGGといったヒップホップのレジェンドをフィーチャリングに迎え話題を呼んできたが、この曲をきっかけに、いよいよ彼らは今のアジアンカルチャーの盛り上がりとヒップホップシーンの世界的な多様化と同時代性を持ったユニットとしての存在感を持つことになるだろう。そこから広がる可能性はとても大きい。
日本人グラフィックデザイナーのGUCCIMAZEによる「斬」と記されたジャケットが象徴するように、新たな歴史を“斬り”ひらく、さまざまな点でエポックメイキングな1曲。
それが「CUT IT UP feat. CL & AFROJACK」なのである。――柴 那典
PKCZ®「CUT IT UP feat. CL & AFROJACK」ライナーノーツ