『
クロウ / 飛翔伝説』『
アイ、ロボット』など近未来SF映画でその名の知られるエジプト出身の監督、
アレックス・プロヤスのデビュー作にして最高傑作との呼声が高い「スピリッツ・オブ・ジ・エア」が、公開から30年の時を越えてデジタル・リマスター版として、2020年2月8日(土)より東京・新宿シネマカリテほかにて全国順次公開。ポスター・ヴィジュアルが公開されています。
初公開時、〈オーストラリア・アカデミー賞〉の最優秀美術賞・最優秀衣装賞にノミネートされるなどオーストラリアでは高い評価を得るも、本国以外ではほとんど公開されなかった本作。しかしながら日本での評価は高く、1990年開催の〈第1回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭〉にて上映され、審査員特別賞を受賞。翌91年には正式に劇場公開され、当時の日本人映画ファンの多くが魅了されました。本作の登場人物はたった3人で、「空を飛ぶこと」への憧れを持つ男を軸に、“絶望”と“希望”、“夢”と“現実”の寓話を幻想的に描き出した、驚くほど詩的な一篇です。
公開されているポスター・ヴィジュアルでは、恐ろしいほどに美しいオープニング・シーンの一部が切り取られており、砂漠の真ん中で、足の不自由な主人公・フェリックスの妹のベティが真っ赤なドレスを纏って弦楽器を奏でるカットは、圧倒的な空虚さえ感じられます。
本作の制作に4年半の月日を費やしたアレックス・プロヤスは、公開当時、「『スピリッツ・オブ・ジ・エア』は、目の前に立ちはだかる、時には馬鹿げているとさえ思えるような障害物と戦いながらも、夢を実現させようとする者たちの物語である。この映画に登場する人々は、エキセントリックで弱点も見せる。彼らのシチュエーションはしばしば滑稽であるが、それは実際に我々が経験している日常ほどではない。これは、ある意味での犠牲と失敗についての映画だ。それはただ、笑うしかすべのないものである」とコメントしています。
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