BABYMETAL 2020/02/03掲載(Last Update:20/02/04 10:15)
BABYMETALが、2020年最初のワンマン・ライヴとなるワールド・ツアー日本公演の追加公演を1月25日(土)、26日(日)に千葉・幕張メッセ国際展示場にて開催。2日間で約5万人(各日約25,000人)を収容する会場で、期待と熱気に溢れた観客を前に世界基準の熱狂パフォーマンスを披露しました。
2019年10月11日に3rdアルバム『
METAL GALAXY』を世界同時リリースし、米ロサンゼルス・The Forumで初の北米アリーナ・ワンマン・ライヴを含む、過去最長となった20ヶ所に及んだアメリカ・ツアーを敢行。2019年11月に開催された凱旋公演〈METAL GALAXY WORLD TOUR IN JAPAN〉とその追加公演となる今回の幕張メッセ2DAYSは、全日ソールドアウトし、各地で大きな反響を呼んでいます。BABYMETALは、2020年に予定しているヨーロッパとアジアでの海外ツアーを前に、本公演を通して、CD2枚組からなる3rdアルバム『METAL GALAXY』のテーマでもある“メタルの銀河の旅”をイメージし、2日間の公演中で同じ曲を演奏しない、セットリストに被り曲が無い形でアルバムを再現するという新たな挑戦に臨み、見事に完遂しました。
1月25日のDAY-1は“光の力”をテーマに、3rdアルバム『METAL GALAXY』のDisc-1の収録曲を中心に全12曲を披露。オープニング曲の「FUTURE METAL」とともに、通常は、ドーム規模のライヴ会場で使用される巨大LEDスクリーンに映し出されたメタルの銀河を旅するかのような映像美に一気に引き込まれるも束の間、続く「DA DA DANCE (feat. Tak Matsumoto)」でBABYMETALがステージに登場。会場は一気に沸き上がり、「Elevator Girl」と「Shanti Shanti Shanti」を立て続けに披露。ライヴ初披露となる「Oh! MAJINAI (feat. Joakim Brodén)」では、巨大LEDスクリーンに迫力溢れる
サバトンのヴォーカリスト、
ヨアキム・ブロデーンの姿が映し出され、楽曲のフィーチャリングゲストとのムービーコラボに会場の盛り上がりは一気に頂点に。また、この日同じくライヴ初披露となる「Brand New Day (feat. Tim Henson and Scott LePage)」では、スクリーンに映るシルエットでダンスを見せる演出でファンを魅了し、フラメンコやサンバテイストの振り付けが印象的な「Night Night Burn!」も初披露。ライヴはいよいよ終盤へと突入し、感動的で壮大な「THE ONE」で文字通り会場はひとつになりました。合戦の合図で始まったストーリームービーでは、これまでのツアーをBABYMETALと共に旅してきたアベンジャーズの3人と、屈強なサウンドを奏でる東の空の守護神の神バンドに加え、西の空の守護神であるもうひと組の神バンドが降臨することが告げられ、予想外の展開に会場のボルテージは一気に高まり、さらにパワーを増したバンドサウンドの「Road of Resistance」で会場は興奮の坩堝と化し、1日目は幕を閉じました。
1月26日のDAY-2は“闇の力”をテーマに、3rdアルバム『METAL GALAXY』のDisc-2の収録曲を中心に12曲を披露。DAY-1の東の神バンドに変わり、DAY-2では西の空の守護神であるもうひと組の神バンドが重厚なサウンドを奏でる中、左右に広がった花道とステージ奥からシンボルマークを象った杖を手にしたBABYMETALとアベンジャーズ3人が登場し、荘厳な演出の中「IN THE NAME OF」からスタート。続く「Distortion (feat. Alissa White-Gluz)」では、巨大LEDスクリーンが真っ赤に染まり、途中SU-METALが無言のまま鋭い眼差しで会場を煽ると、まるで映画の中に引きずり込まれるような感覚に陥りました。続く「PA PA YA!! (feat. F.HERO)」では、ムービングステージが客席に向かって大きく迫り出し、客席ではタオルが振り回され早くも会場が一体となりました。西の神バンドの醸し出すダウナーな「Kagerou」のグルーヴに会場が揺れ、ライヴ初披露となる「BxMxC」ではBABYMETALの新機軸となるラップがフィーチャーされたミクスチャー・ブルータル・メタルを体現。「シンコペーション」と「ヘドバンギャー!!」を披露した後は、激しくも神秘的な光を放つ演出の「Starlight」と幻想的な「Shine」で会場が静かな興奮に包まれ、「Arkadia」でクライマックスへと盛り上がり、3rdアルバム『METAL GALAXY』のラストを飾る“光3部作”で締めくくりました。少しの間を置きストーリームービーが流れると、アベンジャーズの3人と、さらには西の神バンドに加えて東の空の守護神であるもうひと組の神バンド、合わせて2組の神バンドが演奏することが告げられ、衝撃的な展開に歓喜の声が湧き上がる中、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」のイントロが流れると、会場内ではWALL OF DEATHの狼煙が上がり、花道の両端からMOAMETALとアベンジャーズによるお馴染みのダッシュが披露され、センターステージに揃った5人の一糸乱れぬパフォーマンスとダメジャンプで会場がひとつとなり大団円をむかえ、光と闇という異なるテーマで2日間にわたって繰り広げられた“メタルの銀河の旅”は完結しました。
幕張メッセ2DAYSで圧巻のパフォーマンスを披露したBABYMETALの「METAL GALAXY」の旅は、今後もさらなる進化を遂げながらワールド・ツアーは続くが、DAY-2のエンディングでもアナウンスされた10周年を迎える2020年の今後の活動にも注目が集まります。また、BABYEMETALは、5月13日(水)に、3rdアルバム『METAL GALAXY』が全世界同時発売となった2019年10月11日に、米ロサンゼルスで行ったBABYMETAL初の北米アリーナ公演〈METAL GALAXY WORLD TOUR LIVE AT THE FORUM〉の模様を全編収録した映像作品『LIVE AT THE FORUM』(
Blu-ray TFXQ-78181 7,000円 + 税 /
DVD TFBQ-18224 6,000円 + 税 / THE ONE限定盤 Blu-ray + 2CD ONEB-0023 18,000円 + 税)をリリースします。
Photo: Taku Fujii
Photo by Takimoto “JON” Yukihide[ライヴ・レポート] 1月26日。幕張メッセ展示場ホール公演2日日。
ソールドアウトした会場には、コスプレ姿の女性、若いカップル、中年の男性・女性、小さな子供連れの親子など多くの老若男女が集まっている。開場後の場内はあっという間に熱気が充満し、周囲のざわつきはライヴに対する期待感を表している。果たして開演すると、耳をつんざくような大歓声があちこちで沸き起こり、フロアのボルテージは一気に上がった。オープニングのストーリームービーがステージ背後の高画質LEDワイドスクリーンに映るが、その画面の巨大さにまずは驚く。次に、滑らかな画質に驚嘆する。そしてライヴは3rdアルバム『METAL GALAXY』のDisc-2の冒頭曲「IN THE NAME OF」で始まるが、そこで今度は、戦慄のような驚愕を覚えた。ただでさえ中央のワイドスクリーンは巨大サイズだというのに、左右には別のスクリーンが設置されていて、映像がその大小3つのスクリーンに連動して壁一面に映し出されたからだ。この大きな幕張メッセ国際展示場ホールの縦幅いっぱいに映る、しかも高解像度の鮮明な映像に観客は度肝を抜かれ、どよめきに近い歓声がひっきりなしに沸き起こっている。こうして圧倒的なスケール、圧巻のオープニングをもって、BABYMETALのライヴは幕を切って落とされた。
シンボルマークを象った杖を手にしたBABYMETALとアベンジャーズ3人による「IN THE NAME OF」が終わると、続いて披露されたのは「Distortion (feat. Alissa White-Gluz)」。ピットでは早くもモッシュが発生し、観客は爆音を全身で浴びながらライヴにのめり込んでいく。SU-METALの張りのある高音ヴォイスはどこまでも響き渡り、MOAMETALとアベンジャーズによるキレのあるダンスは観客を大いに魅了した。続けざまにサマー・メタル・ソング「PA PA YA!! (feat. F.HERO)」が始まると、大勢が勢いよくタオルを振り回し、まさにお祭りといった具合に騒いでいる。その後に人気曲「KARATE」が続くと場内は早くも興奮の坩堝と化した。多くの観客がグルーヴを感じながら全身を揺らしてこのエモーショナルな楽曲に没入している。
西の空の守護神の神バンドによるテクニカルなソロ演奏に続いて披露された「Kagerou」では、ブルージーなギター・サウンドに乗せてSU-METALが大人びた歌唱を披露。間奏での3人による息の合った妖艶かつリズミカルなダンスは一見の価値あり。次に満を持して「BxMxC」がライヴ初披露されると、場内には大きなどよめきが何度も起こり、それはやがて歓声や拍手へ変わっていった。SU-METALのライムやフロウは痺れるほどに完璧で、MOAMETALとアベンジャーズによる煽りに呼応した観客の“B! M! C!”コールが場内に何度もこだました。スクリーンに大きく映るリリック映像も効果的で、楽曲の持つクールさをさらに彩っている。
続く「シンコペーション」では、3人が拳を大きく回しながら歌い踊り、「ヘドバンギャー!!」の間奏では、ムービングステージから煽るSU-METALとMOAMETAL、アベンジャーズのゼスチャーに呼応した多くの観客が“土下座ヘドバン”をしてBABYMETALへの愛情を示した。幾つも伸びるレーザー光線の演出から始まる「Starlight」も見惚れるほどのクオリティ。張りのある高音ヴォイスが心地よい、SU-METALの圧倒的な歌唱と美しいコーラスワーク、それと対比するヘヴィなジェント・ギター・サウンドが織りなす極上な世界は多くの観客の耳目を集めている。その後は「Shine」、「Arkadia」と続いて披露されたが、前者ではMOAMETALとアベンジャーズによる情熱的なダンス、感情豊かに歌い上げるSU-METALの歌唱、ソリッドに奏でられる壮大な楽曲が観る者に最上の愉悦を与え、後者ではメロディック・スピード・メタルの美しい旋律と怒涛のバンド・アンサンブル、煌びやかな映像と凛とした強さを見せるSU-METALのヴォーカルやMOAMETALとアベンジャーズによるドラマチックなダンスが多くの観客を魅了。力強くも艶やかに舞う3人が観客をさらなる昂揚へと誘い、ライヴは大盛況のもと終了した。
少しの時間を置いてからストーリームービーが流れ、代表曲「イジメ、ダメ、ゼッタイ」が約2年ぶりに披露されると、場内は今宵一番の盛り上がりを見せた。ステージには西の神バンドに加え、東の空の守護神であるもうひと組の神バンドも集結。まるで競い合うかのように、各々がタイトに演奏する。センターステージでは、BABYMETALにアベンジャーズの3人を含めた5人が圧巻のパフォーマンスを披露。鬼気迫る渾身のパフォーマンスは感動的で、胸を打たれた観客は多かったのではないだろうか。間奏では、SU-METAL以外の4人が交互に戦うような振り付けで多くの観客を魅了した。怒涛のブラストビートは大勢の心を焚き付け、終盤の力強いユニゾンによる演奏は思わず感涙してしまうほどの美しさ。キツネサインをクロスさせた“ダメジャンプ”はフロア一面に広がり、最後は5人による恒例の“We are?”“BABYMETAL!”コールで終了。こうして、BABYMETALは、過去のライヴを塗り替える極上のライヴ・エンターテインメントショウを披露し、大勢の観客を虜にして、“闇の力”をテーマにした幕張メッセDAY-2公演は大盛況のもと幕を閉じた。シアトリカルなBABYMETALのアリーナ・ショウはいつだってスペクタクルだが、巨大なワイドスクリーンを駆使した演出はショウのグレードをさらに向上させ、ステージング自体をさらに進化させた。唯一無二のスタイルを誇るBABYMETALのメタル・アリーナ・ショウの勢いは留まるところを知らない。 文 / teri
■BABYMETAL
METAL GALAXY WORLD TOUR IN JAPAN EXTRA SHOW LEGEND - METAL GALAXY
1月26日 千葉 幕張メッセ国際展示場
[セットリスト]
01. IN THE NAME OF
02. Distortion (feat. Alissa White-Gluz)
03. PA PA YA!! (feat. F.HERO)
04. KARATE
05. Kagerou
06. BxMxC
07. シンコペーション
08. ヘドバンギャー!!
09. Starlight
10. Shine
11. Arkadia
12. イジメ、ダメ、ゼッタイ