名作『
苺とチョコレート』の原作者が協力した脚本、〈東京国際映画祭〉グランプリのウルグアイ映画の主演俳優、
カエターノ・ヴェローゾの名曲「ドレス一枚と愛ひとつ」がフィーチャーされた話題のブラジル映画「ぶあいそうな手紙」のポスター・ヴィジュアルが公開されています。
〈ブラジル・サンパウロ国際映画祭〉では批評家賞、〈ウルグアイ・プンタデルエステ国際映画祭〉では観客賞と最優秀男優賞を受賞し、伝統ある〈ハバナ映画祭〉、〈リオデジャネイロ映画祭〉にも特別招待された「ぶあいそうな手紙」。“素晴らしい脚本は映画をこんなに面白くする”という、映画の原点を思い出させる魅力で、ラテンアメリカの各映画祭で批評家の大絶賛と観客の大喝采を呼んだ話題作です。残念ながら、4月2日に予定されていたブラジル公開は新型コロナ感染拡大によって延期。しかし日本では7月公開のため、その頃には映画館にまた観客が戻ってきてくれると信じて、予定どおり行なう予定です。
舞台はブラジル南部、ポルトアレグレの街。エルネストは78歳の独居老人。隣国ウルグアイからやって来て46年。頑固で融通がきかず、本が好きでうんちく好き。老境を迎え、視力をほとんど失ってしまいました。もうこのまま人生は終わるだけ。そう思っていたある日、一通の手紙が届きます。差出人はウルグアイ時代の友人の妻。よく目が見えず手紙が読めないエルネストは、偶然知り合ったブラジル娘のビアに手紙を読んでくれるように頼みます。手紙の代読と返事の代筆を通して、一人暮らしのエルネストの部屋にビアが出入りするようになるが……というストーリー。
大絶賛されている脚本を担当したのは、繊細な演出も素晴らしい監督のアナ・ルイーザ・アゼヴェードとそのパートナーであるジョルジ・フルタード。ラテンアメリカ映画史に残るキューバの名作『苺とチョコレート』の原作者
セネル・パスが脚本に協力していることも大きな話題になっています。主人公エルネストには、〈東京国際映画祭〉グランプリで日本公開されたウルグアイ映画『
ウィスキー』に主演した名優
ホルヘ・ボラーニ。映画を彩るのは、カエターノ・ヴェローゾの名曲「ドレス一枚と愛ひとつ」(アルバム『
粋な男』に収録)です。
このたび公開されたポスターは、エルネスト(ホルヘ・ボラーニ)に手紙を読むビア(ガブリエラ・ポエステル)の姿をメインに、ウルグアイ人らしくマテ茶を手にしたエルネストの味わいある仏頂面(?)がフィーチャーされたデザインになっています。
映画の舞台であるポルトアレグレの小さな制作会社が生んだ、可笑しくて温かくて、ラテンアメリカらしい愛にあふれた本作で、“映画を見て素敵な気持ちになる”、そんな世界を思い返してもらえることを願って。
■「ぶあいそうな手紙」
2020年7月、東京 シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
配給: ムヴィオラ