1945年にドイツが降伏してから75年にあたる欧州戦勝記念日(VEデー)の5月8日に、75周年記念イベントの一環としてウェールズ出身のメゾソプラノ歌手の
キャサリン・ジェンキンス(Katherine Jenkins)が英ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで無観客コンサートを開催。その模様がYouTubeのロイヤル・アルバート・ホール公式アカウントで公開されています。
今回のコンサートは、ロンドンのサディク・カーン市長の財政支援により#LondonTogether の一環として催されることで実現に至ったもの。公開された映像には市長からのビデオ・メッセージもあり、#LondonTogether はロンドン市民に、ポジティヴな地域活動に対する意識を高め、医療ならびにケアワークのスタッフ、救急サービス、公共サービス従業者、ボランティアの働きにあらためて感謝の気持ちを伝えるよう呼びかけました。また、ロイヤル・アルバート・ホールのファンドレイジング(募金)並びに、イギリス軍とその家族のための慈善団体、SSAFAの緊急時対応基金の支援を兼ねており、YouTubeには募金先へのリンクがあります。
コンサートでジェンキンスはMCを交えつつ、ピアノを中心にした伴奏とともに「虹の彼方に」「White Cliffs Of Cover」、賛美歌の「Jerusalem」、
ヴェラ・リンとのヴァーチャル・デュエットによる「We’ll Meet Again」など全7曲を披露しています。
コンサートに先立ってジェンキンスは「1945年5月8日のVEデー、ロンドンでは百万人を超える市民が街に繰り出し、欧州戦線での勝利を、そして6年に及ぶ大戦の終結を祝いました。トラファルガー広場からバッキンガム宮殿までを埋め尽くした群衆。今年は、その時のように祝うことはできないかもしれませんが、この歴史的な日から75年の祝いの年に影を投げかけてはなりません。60周年、70周年の式典にも参加していた私は、今年も何かできないか、この困難な時期だからこそ、国を、そして世界を一つにつなぎ、記念の日を祝うことができないか、と考えました。ヴァーチャルな形ではありますが、こうしてみなさんと一堂に会し、ロンドンの代名詞とも言えるコンサート会場から、戦時中の歌とミュージカルへのトリビュート・コンサートを行えることを心から嬉しく思っています。誰もいない、隔離されたロイヤル・アルバート・ホール。それは見たことのない姿かもしれませんが、それでもなお、息を飲むほど壮観であるに違いありません」とコメントしていました。
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