「世界で最もクリエイティヴなオーケストラ」と言われるオーロラ管弦楽団(Aurora Orchestra)が、ドイツ・グラモフォンからのデビュー・アルバム『ミュージック・オブ・スフィアーズ』(天球の音楽)を6月12日(金)に発表します。その中から
マックス・リヒター作曲による委嘱新作「ジャーニー(CP1919)」が先行シングルとして配信されました。
アルバム『ミュージック・オブ・スフィアーズ』(天球の音楽)は、惑星の動きが、宇宙の調和(ハーモニー)を生み出すという古代ギリシャの数学的な概念に基づいています。リヒターが作曲した「ジャーニー(CP1919)」は、最初に発見されたパルサー“CP1919”に触発されて作曲されたもの(注: パルサーはパルス状の可視光線、電波、X線などを発生する天体で、超新星爆発後に残った中性子星と考えられている)。古代ギリシャの天文学者が惑星の軌道を説明するために使用した数学的な比率によって支配されたリズムを使用して、オーロラ管弦楽団が暗譜(楽譜を見ずに覚えて)で演奏することも前提に作曲されています。
オーロラ管弦楽団の首席指揮者ニコラス・コロンはアルバムについて「2014年、オーロラ管弦楽団は初めて完全な暗譜で交響曲を演奏し、新たな旅に乗り出しました。私と演奏者たちにとってこの経験は忘れられないものでした。音楽と構造をさらに深く理解し、お互いや観客との新しいレヴェルのコミュニケーションを見つけることができたのです。100回を超える暗譜による演奏を経て、今回、モーツァルトの最後の交響曲、第41番〈ジュピター〉の暗譜によるスタジオ録音を行えたことにとても興奮しています。モーツァルトが楽譜に書いた音楽を理解するために深く掘り下げ、印刷された楽譜から解放され、このような激しさと喜びに満ちたレコーディング・セッションは経験したことがありません。『ミュージック・オブ・スフィアーズ(天球の音楽)』は、この他の4つの非常に対照的な作品をまとめています。最初はマックス・リヒターへの委嘱による新作で、暗譜で演奏する私たちのために書かれました。また、フィンランドのヴァイオリニスト、ペッカ・クーシストはトーマス・アデスの驚異的なヴァイオリン協奏曲の理想的な共演者であり、この機知に富む傑作の全ての輝かしい側面を明らかにしたことも嬉しく思います。カウンターテナーのイェスティン・デイヴィスが、ジョン・ダウランドの美しいリュート歌曲でニコ・ミューリーの現代的なひねりを好演し、デヴィッド・ボウイの〈火星の生活〉で締めくくられます」と語っています。