ピアニストの
小菅優が、2017年から取り組んできたコンサート・シリーズ「Four Elements」(四元素 / 水・火・風・大地)の第3弾のアルバム『
Four Elements Vol.3:Wind』を3月5日(金)に発表します。国内仕様盤には小菅がみずから書いた解説が付きます。
2020年9月に独ベルリンのb-sharpスタジオで録音されたこのアルバムは、彼女が幼いころから好きだったという
ラモー、
クープラン、
ダカンと言ったフランス・バロックの小品で始まり、毎回かならず含まれる日本人作曲家の作品、
西村朗の「カラヴィンカ」(迦陵頻伽 かりょうびんが=極楽に住むとされる人間の顔、鳥の体を持つ特別な鳥で、美しい声によって仏陀の言葉を歌い、人々の魂を救済するとされている)が続きます。そして、彼女の代名詞とも言える
ベートーヴェン作品からの「テンペスト(嵐)」、
ドビュッシーの前奏曲から風にまつわる3曲が続き、「この曲でプログラムを終えたい」と願った
ヤナーチェクの「霧の中で」で幕を閉じるという構成。どの曲も神秘的な雰囲気を携えながら、聴き手の想像力を強く刺激します。
小菅は2019年のコンサート・プログラムに、「旧約聖書の創世紀では、最初の人間アダムの誕生についてこう書かれています:〈主なる神は、土の塵で人を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった。〉人間の生命について、聖書に限らず伝説や神話の中でも、魂や霊のような目に見えないものの存在がよく出てきます。(中略)息、風、大気、魂、命…今回の公演では、目に見えないものに焦点をあて、さわやかな風の描写をはじめ、ミステリアスで内面的な作品を中心に人間の心の奥深くまで探っていきたいと思います」と記しています。