ほとんどの聴衆が席に着くと、バンドは軽快なテイストの「スタイリスト」「YOU」、ファンキーなミディアムチューン「GACHA GACHA」を披露。その後、ライヴは怒濤のPSYCHEDELIXナンバー連発ゾーンへ突入する。ジミ・ヘンドリックスのフレイバーをふんだんに香らせる「I’M HERE FOR YOU」に続き、ハーフタイムシャッフルのカッティングが心地よいグルーヴィーな「DAZED」では、日が沈み始めたタイミングに合わせてミラーボールによる演出も展開された。
あたりが次第に暗くなっていく中、次に届けられたのがメロウなインストナンバー「ENDLESS DREAM」だ。小島のピアノソロおよびCharのギターソロによる長尺のインプロビゼーションも交えながら、夕方は少しずつ、しかし確実に夜へと姿を変えていく。そしてオクターバーの掛かったギターが緊迫感のあるフレーズを奏で始めると、PSYCHEDELIXのインスト曲「BIEHMEN SIE SCHNELL」へと続いた。ヘビーな3連系ビートに乗せてアーミングを駆使した流麗な旋律が奏でられる、ジェフ・ベックを彷彿とさせるような鬼気迫る1曲だ。
さらにバンドは畳み掛けるように、これまたPSYCHEDELIXのブルースロックナンバー「STAND」をプレイ。とっぷりと暮れた夜空の下に真っ赤な照明が映え、サイケデリックな空間が形成される。続けてPINK CLOUDのハードロックナンバー「DRIVE ME NUTS」が始まると、いつの間にか客席は再び総立ちとなっていた。マスク着用で声の出せないオーディエンスたちは、会場を屋外ダンスフロアと化すことで熱狂を表現するほかない。