清水康彦(監督)×
リリー・フランキー(主演)×
齊藤工(企画・プロデュース)でおくる、リリー・フランキー初の一人芝居による映画『その日、カレーライスができるまで』が今夏、全国順次公開されることが決定。あわせて、ポスター・ヴィジュアルが公開されています。
「今年も妻の誕生日にカレーを作っています。三日後が、誕生日です」「ただ、色々あって今年はひとりです」。外はどしゃぶりの雨、一人のくたびれた男がカレーを仕込み、愛聴するラジオ番組の「マル秘テクニック」募集に、コンロでぐつぐつと音をたてる“三日目のカレー”についてのメールを綴り始める――。
日本の一家団欒の象徴ともいえる家庭の味=カレーライスと、電波を通じて誰かと誰かをつないでくれるラジオが、ひとりの人生、ひとつの家族にもたらす奇跡を描いた本作。『
凶悪』『
そして父になる』『
万引き家族』などで映画賞を多数受賞するリリー・フランキーが、ワンシチュエーションのほぼ一人芝居で、誰もが大切な何かを思い出す、あたたかい奇跡の物語に挑みます。イラストレーターや小説家はもちろん、ラジオパーソナリティーも長年務めるリリーがラジオのヘビーリスナーを演じるのも見どころの一つ。また『37セカンズ』の
神野三鈴が、『
blank13』に続きリリーの妻役(声のみの出演)を演じます。
監督は、密室スリラーのリメイク映画『CUBE』が2021年10月22日に全国公開を控え注目されている清水康彦。初長編監督映画『
MANRIKI』以降、2020年は『COMPLY+-ANCE』をはじめ、齊藤工の関わる作品に多数参加。リリーとは脚本・演出を務めたフジテレビ系列ドラマ『ペンション・恋は桃色』チームでの再タッグとなります。原案・脚本は、TBS系列ドラマ『半沢直樹』が話題となった
金沢知樹。齊藤工の監督デビュー作の短編『半分ノ世界』以降、数々の作品でタッグを組む金沢が、19年に劇団スーパー・エキセントリック・シアターの
野添義弘還暦公演のために書き下ろした一人ミュージカル・アクション・コメディ『その夜、カレーライスができるまで』を原案として本作が誕生しました。
そして、企画・プロデュースはマルチな活躍を続ける齊藤工。長編初監督映画『blank13』から3年、クリエイター齊藤工として10年の節目を迎えた2021年、自身もパーソナリティーを務めるラジオ番組とカレーがつなぐ家族の絆を描いた物語を、信頼するチームに託します。
[コメント](齊藤)工くんは「ヘンなひと」ですけれど縁のある方。本当に映画が大好きですし、ものづくりに対してはすごく真伨で、一緒に作っていくのが楽しい。そんな工くんが企画して、清水康彦監督をはじめとする「ペンション・恋は桃色」と同じ、若くて心地よいスタッフたちと話しあいながら、何やらいいものができた……ような気もしないでもない?
いわゆる舞台の一人芝居とは違って、シリアスさのなかにコミカルさがあるといった、映像ならではのユーモラスな作品になっていると思います。
撮影はずっと一人だったので、3日間でしたが、濃い、いい経験をさせてもらいました。――リリー・フランキーリリー・フランキーさんは、ドラマ「ペンション・恋は桃色」で初めてお世話になって以降、役の人物設計だけでなく作品の方向性やテーマまで相談させてもらえる、大先輩といえる存在です。
寛大さや優しさとともに、鋭い指摘もあるのでヒヤヒヤします。
しかも今回は、ほぼ一人芝居、ほぼワンシチュエーション、難題が山積みで、スタッフ共々大先輩に頼り切ってしまいましたが、その甲斐あって他にはない独特な映画になりました。――清水康彦誰にでも、思い出のご飯はあります。
誰かが作ってくれた唐揚げ、自分で作った肉じゃが、レストランのオムライス。みんなで囲んだ鍋。
この物語で男はカレーを作ります。
誰かを想い、雨の夜に、じっくりコトコトと‥――金沢知樹この混沌とした現代にどんな作品が生まれるべきなのか?
映画は不要不急なのだろうか?
金沢さんの珠玉の脚本にリリーさんと清水監督が対峙して下さいました。
個人的には書かれている“プロデュース”なんて響きの働きは一切出来てませんが、いち映画ファンとして、この作品が三日目のカレーの如くしっかりと味わい深く完成し、必要な方にじっくりと届いて行く事を願っています。――齊藤工© 2021『その日、カレーライスができるまで』製作委員会