2019年英グラモフォン賞「アーティスト・オブ・ジ・イヤー」をはじめ多くの賞を受賞するアイスランドのピアニスト、
ヴィキングル・オラフソン(Víkingur Ólafsson)がニュー・アルバム『モーツァルト&コンテンポラリーズ』を9月3日(金)に発表します。アルバムの発売に先立ち、収録曲の「モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第16番 ハ長調 K.545」が7月7日(水)から先行配信中。アルバムのティザーが公開されています。
『モーツァルト&コンテンポラリーズ』は、作曲家たちが試行錯誤し、当時の古典派音楽に変化が起きていた10年間に焦点を当てた作品。ウィーン古典派を代表する
モーツァルトのピアノ作品を、同時代の作曲家、
ハイドン、
C.P.E.バッハと、めったに録音されない
ガルッピや
チマローザの作品を並べ、オラフソンの得意とする独創的なプログラミングによって、芸術的にまとめています。
1780年代のモーツァルトの人生と芸術に限りない魅力を感じているというオラフソンは、「モーツァルトは単なる作曲家ではありません。ヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして自分のために作曲していたときには、彼の独創性の源である遊び心をこれまで以上に発揮していたように思うのです。この時期のモーツァルトは、古典派の伝統を完成させながら、絶妙に覆してもいました……影がより濃く、ニュアンスや曖昧さの深みが増しています」とコメント。さらに、本作を通して、“神童”のモーツァルトのイメージを払拭したいと考えるオラフソンは「有名な作品と無名のものが混在することで、モーツァルトの音楽に対して私たちが持っている偏見を取り除くことができるのではないかと期待しています。ガルッピやチマローザのような、驚くほど叙情的で希少な作品を発見したときに感じたような、自由で子供のような気持ちでモーツァルトの最もよく知られた作品にアプローチしていただきたいです」と話し、「モーツァルトを演奏すると、音楽家としての自分を知ることができるような気がします。彼は、音楽における自分の一番奥にある核心を反映しているように思えるのです」とも語っています。
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