大好評の『
The best of Tinna』に続き、
Tinnaのメンバーである
惣領智子のソロ・アルバム『
IT S ABOUT TIME』を7月21日(水)に復刻リリース。アルバムとしては初CD化をUHQCDで実現。
RCAレーベルよりリリースした2作のオリジナル・アルバム、ベスト・アルバムに続き、オリジナルとしては3作目、通算4作目にあたります。
高橋真理子とともに、EXPRESSレーベルよりデビューした“Tinna”の活動後、同レーベルからリリースした、唯一のソロ・アルバムです。同年にリリースされたシングル曲(2曲)をボーナス・トラックとして、全11曲を収録。アルバム収録曲「PENTHOUSE COCKTAIL」、そのシングルA面曲「愛されて海へ(TBS系テレビ 愛の劇場「ふたりの旅路」主題歌)」は、コンピレーション盤に収録されCD化がなされていますが、他9曲は初CD化となります。
ソロ・デビュー1st「やさしく愛して」では、アコースティック楽器が多く起用され、フォークからニューミュージックへの過渡期、その時代性を思わせる作風でした。2nd「City Lights by the Moonlight」では、後年シティ・ポップスの名曲として高評価されていく表題曲ほか、エレクトリック楽器をはじめホーン、ストリングスの起用度も高まり、ポップスとしての洗練度が増しています。
1977年の発表というこの時期、まさに国内のアーティスト、ミュージシャンたちは欧米のセンスやテクニックを取り入れ消化し、「新しい音楽を作る」「新しい時代を作る」という気概に満ちていました。ましてや、彼女の米国での活動経験は、さらに力を与えたことでしょう。
この後Tinnaが生まれ、その音楽は世界レベルの最先端のサウンドでした。日系アメリカ人「高橋真理子」とのデュオであり、英詞で綴られた作品が多いこともそう思わせます。Tinnaの活動後に、生まれた本ソロ・アルバム『IT’S ABOUT TIME』には、アーティストとしてスケール・アップした惣領智子の姿があります。美しい歌はダイナミズムを増し、自らの詞曲は一層切なく優しい。このアルバムをリリースした時、彼女は出産をひかえていました。一人の女性としてひとつの大きな“とき”を迎えていたことも、表現に影響を与えていたことでしょう。美しい曲はより美しく、カッコいい曲はよりカッコよく、優しい曲はより優しく。今になっても、シティ・ポップス名盤として高く評価されるクオリティがここには詰まっています。