クラシックサクソフォン奏者の所克頼が、初のアルバム『祈り-pray-』を8月20日(金)にリリース。
古典や現代曲にとらわれず無伴奏リサイタルをはじめ、エレクトロニクスとの共演、朗読とのプロジェクト妄想会議など、様々な分野に挑戦してきたサクソフォン奏者・所克頼の1stアルバム『祈り-pray-』。米インディアナ大学での留学時から抱いていた「アメリカ人作曲家の作品を日本で広めたい」という想いを詰め込んだ本作は、日本初録音となるキルストフテのソナタを含んだ全5曲を収録。
オーティス・マーフィー(サクソフォン奏者、インディアナ大学教授)は「なんて美しく愉快なプログラムなのだろう。多様性とヴァラエティーに富んでいて、楽しんで聴かせてもらったよ」とコメント。マーク・キルストフテ(作曲家、ファーマン大学教授)は「この作品の大幅な改訂(特に第4楽章)を記録した初のスタジオ録音となる私のソナタの素晴らしい録音をしていただき、感謝したいと思います。彼らの演奏は繊細で力強いもので、遠く離れた場所からの私のコメントや提案を快く考慮してくれた音楽性と意欲に感謝しています」と述べています。
キルストフテのソナタにはサクソフォンの様々な特殊奏法が用いられています。それらは単に奇抜なだけでなく、サクソフォンとピアノの重なる音色や時折現れる純粋で美しいハーモニーのスパイスとなり曲の魅力を更に引き出しています。2楽章には非常に強い音圧のスラップタンギングとプリペアドピアノとメトロノームを使用し、規律の中での遊び心に出会えるでしょう。また、キルストフテとコンタクトを取り意見を交わせたことで作品に対するイメージや世界観を共有することができ、彼の思い描く音を作り出せたことも作品に彩りを添えました。
ミニマル音楽の巨匠フィリップ・グラスの若い頃に作られた無伴奏ソプラノサクソフォンの作品「グラドゥス」。フラジオ音域が盛り込まれており、2オクターブ半の音域しか持たないサクソフォンの音域を広げ更に華やかさや力強さを与えて楽器の魅力を広げたウォーレイのソナタ。
また、チェロのために作曲された名曲コル・ニドライをバリトンサクソフォンにて収録。低音楽器が持つ豊かな倍音により、温かく柔和な音色や滑らかさはこの楽器ならではの幅広い表現力で歌われています。
共演者には自身もリサイタルなど精力的な活動をしているピアニストの山内敦子。近年共演する機会を多く持ち、彼女の確かなテクニックと音楽性に支えられたレヴェルの高いアンサンブルは必聴です。
「祈り」をテーマに、ふと目を瞑ったときに心にじわっと溢れる美しいメロディとハーモニーを堪能できるアルバムが仕上がりました。
■2021年8月20日(金)発売
所克頼
『祈り-pray-』
CD KTYTK001 3,300円(税込)
[収録曲]
M.キルストフテ:ソナタ
E.ゼイジャック:アリエッタ
P.グラス:グラドゥス
J.C.ウォーレイ:ソナタ
M.ブルッフ:コル・ニドライ