セザール賞長編アニメーション賞受賞をはじめ、世界中で喝采を浴び、日本でも絶賛されたオーレル監督長編アニメーション・デビュー作『ジュゼップ 戦場の画家』が、8月13日(金)より東京・新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開。このたび、久しぶりの再会に抱き合う男たちを描いた本編映像が公開されました。
1939年スペイン内戦により、避難先のフランスの強制収容所で難民となった実在の画家ジュゼップ・バルトリ。愛する人との再会を胸に、どんな現実も描くことで生き抜いた男の感動の実話です。メガフォンをとったのは、フランスの全国紙『ル・モンド』などのイラストレーターとして活躍してきたオーレル。ジュゼップが収容所で記した鮮烈なスケッチに触発され、10年の歳月を費やしてついに本作を完成させました。
長編アニメーション監督デビューにして、セザール賞やリュミエール賞などヨーロッパの映画賞を総ナメし、東京アニメアワードフェスティバル2021で審査員をつとめた
片渕須直監督(『
この世界の(さらにいくつもの)片隅に』)が絶賛し、コンペティション部門長編アニメーショングランプリを見事獲得しました。さらに、“文部科学省選定(青年向き)”、“文部科学省特別選定(成人向き)”を獲得。文化も社会背景も異なるここ日本で数ある作品の中から、本作の普遍的なテーマが教育上ふさわしいものとして選ばれました。
公開された本編映像は、ジュゼップとかつて収容所の憲兵だったセルジュが久しぶりの再会を果たし、熱く抱擁を交わす感動的な場面。ソンブレロの帽子を被った演奏家たちが奏でる音楽に乗せて、セルジュはジュゼップに会うため遥々メキシコへ向かいます。列車から降りると、そこにはフランスの国歌「ラ・マルセイエーズ」を歌い、セルジュの到着を心待ちにするジュゼップの姿が!「友よ…」セルジュを強く抱きしめるジュゼップ。収容所での悲劇や喜び、どんな瞬間も互いに支え合ってきた姿を感じ取れます。やがて場面は切り替わり、ジュゼップが実際に描いた、オペラハウスのベジャス・アルテス宮殿をはじめ、メキシコシティの街並みが映し出されます。
このシーンで流れる陽気な楽曲は、
シルビア・ペレス・クルスのアルバム『FARSA』に収録されている「Futuras Madres Del Mundo」。スペインのアカデミー賞ことゴヤ賞に輝き、2度にわたりBlue Note Tokyoで来日公演を果たしたカタルーニャの歌姫シルビアですが、本作ではフリーダ・カーロ役の声も担当するなど、多彩な才能を発揮しています。
激動の時代に翻弄されながらも、友情、恋、そして画家としての人生の彩りを取り戻していく姿が、鮮やかな映像とともに異国情緒あふれる楽曲で映し出される、混迷の今だからこそ語り継ぎたい、希望にあふれる感動の実話。ぜひスクリーンでご鑑賞ください。