英国・ロンドンを拠点に活動する
ヨーロッパ室内管弦楽団(COE)が、設立40周年を記念して
ニコラウス・アーノンクールとの録音を収録する4枚組CD『ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス:交響曲集』を10月22日(金)に発表します。
腕利きの奏者が揃ったCOEは、モダン楽器の楽団でありながら小振りな編成とクリアな響き、柔軟かつ意欲的な音楽性を備え、アーノンクールの理想を具現化できるオーケストラとしてつねに彼の厳しい要求に応え、アーノンクールも特別な信頼と愛情を寄せ続けました。「リスクを取って転ぶほうが安全を優先するよりもずっとよい」「偉大な音楽作りとはつねに大失敗と隣り合わせなのだ」を持論としたアーノンクール。ここに収められた「偉大な音楽作り」の数々は、すべて初CD化です。
収録曲は
ハイドンの交響曲第100番「軍隊」と交響曲第101番「時計」、
モーツァルトの交響曲第29番、行進曲 K.335とセレナード第9番、
ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」と交響曲第7番、
ブラームスの悲劇的序曲と交響曲第4番。演奏は、全般的にこのコンビに予想される引き締まったテンポとアクセントの利いたドラマティックなもので、ライヴらしい勢いや精彩が感じられます。とくにハイドンでは作曲者が仕込んだ細部の仕掛けを鮮明に音にしており、アーノンクールの面目躍如といったところ。ベートーヴェンの交響曲第5番では、驚いたことに16年前のTeldec盤よりもすべての楽章で演奏時間が短くなっており、緊迫度や燃焼度の更なる高まりが感じられます。
10年前、COEが30周年を迎えたときの手紙でアーノンクールは「私にとって、COEほど強い情で結ばれているオーケストラは(コンツェントゥスを除いて)他にありません。COEは頼もしい冒険隊のような存在です。ニューヨーク、ロンドン、パリ、ウィーン、グラーツ、フェラーラなどで共に成し遂げた音楽の数々に一生感謝することでしょう」と書いています。