『
バイプレイヤーズ〜もしも100人の名脇役が映画をつくったら〜』や『
くれなずめ』と、2021年も注目作が続いている
松居大悟監督が、主演に
池松壮亮と
伊藤沙莉を迎え、完全オリジナル・ラヴ・ストーリーで映画化した『ちょっと思い出しただけ』が2022年早春に全国公開決定。
クリープハイプの新曲「Night on the Planet」が主題歌に決定したほか、場面写真3点と松居監督、池松壮亮、伊藤沙莉からのコメントも公開されています。
クリープハイプの
尾崎世界観が自身のオールタイムベストに挙げる
ジム・ジャームッシュの名作映画『
ナイト・オン・ザ・プラネット』より着想を得て、その名を冠した新曲“ナイトオンザプラネット”。映画『ちょっと思い出しただけ』は、松居大悟監督がこの楽曲を受けて書き上げた初となる完全オリジナル・ラヴ・ストーリー。映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』の世界観と共鳴するように、怪我でダンサーの道を諦めた照生(てるお)とタクシードライバーの葉(よう)の2人を中心に、関わる登場人物たちとの会話を通じて、都会の夜に無数に輝く人生たちの機微が繊細かつユーモラスに映し出された作品です。
主人公のうちの一人、照生を演じるのは、実力と人気を兼ね備え、これまで『
君が君で君だ』やクリープハイプの楽曲「憂、燦々」のMVなどで松居監督作品にも多く出演してきた池松壮亮。葉役は、子役から確実にキャリアを積み重ね今やNETFLIXの『全裸監督』や2021年のエランドール賞新人賞、ブルーリボン賞助演女優賞を受賞、数々の作品から引く手数多の伊藤沙莉が務め、若手俳優のトップを走る2人の初共演が実現しました。また、ふたりが出会う人々に豪華キャストも決定しており、今後発表されていくとのこと。
恋人と過ごす夜に感じる「世界に今、私たちだけ」というあの感覚。『くれなずめ』で日が暮れていく、あの誰もが輝く時間を切り取って描いた松居監督が、今作では誰しも孤独と不安を感じたことのある夜に少しだけ無敵になれる一瞬の永遠を切なく映し出し、やがて夜が明けて再び世界が動き出す直前の澄んだ空気を見事に表現しきった『ちょっと思い出しただけ』。世界がコロナ以前に戻れないように、二度と戻れない愛しい日々を、“ちょっと思い出しただけ”という、ある1日を、現代を反映させつつ描いた本映画の続報に注目です。
[コメント]誰にも見つからないように、誰にも気づかれないように、離れてしまった手と手を無理やり引き合わせて、それを運命だとか必然だとか、都合のいい単語で括って知らないふりをしてる。単に時間が経っただけなのに、時間が関係性を引き離すなんて思い込んでるのは自分のエゴで。構ってほしかっただけなのかもなぁ。前より思い出す機会が増えたのは、年齢なのか、時代なのか、思い出そのものが大きすぎるのか。
オリジナルで、初めてのラブストーリーです。尾崎くんがきっとバンド人生を賭けて紡いだ曲を聴きながら、コロナ禍でうんうん悩んだ物語は、小さくて眩しいあの日を思い出す映画になりそうです。盟友の池松君と、鮮やかな伊藤沙莉さんと、素敵な役者スタッフたちと作りました。
きっと花束みたいとか色々言われるんだろうな。言われるよもう。言われる前に言うよ。でも当たってるしなぁ。そんな迷いにこの先何度も包まれる気がするけど、それ以上に、かけがえのない優しい想いに包まれる人に届いたらいいなと思います。
愛がすべてなんかじゃないけど、愛がすべてで。愛ってなんだよ。愛がなんだだよ。また別の映画のタイトルを言ってしまった。『ちょっと思い出しただけ』です、俺はまだ本気出してないだけ、みたいとか言うなよ。俺は本気出したよ。マスクの向こうでニコニコさせられますように。
楽しみにしてくれたら嬉しいです。――松居大悟決定的に戻れないあの頃、コロナ以前からの6年間を描いたラブストーリーです。あの頃を成仏する映画や、あの頃を慈しむ映画は時代の変わり目には沢山作られるものですが、今と過去を同時にすくいとろうというこの作品の心意気にとても共感しました。
思い出せないことと、忘れられないこととが、人生そのものをかたどっているように思います。過去にしがみつくではなく、過去を無かったことにするではなく、全ての地続きに今があると信じています。あらゆる人の人生の過去が、その人の人生にあったことを感謝出来ますように。過去と今が、無かったことになりませんように。昔の気持ちを思い出して、色々あったけど今はもう大丈夫。でも、ちょっと思い出しただけ。そんな私たち自身についての映画になってくれることを願っています。――池松壮亮松居大悟×池松壮亮×クリープハイプという私にとってかなり熱いゴールデンタッグの作品に携われることが決まってからインまで、はやる気持ちでいっぱいでした。
綺麗事を言うつもりなんてさらさらないし、ポジティブ、ネガティブな出来事を全て肯定するべきなんて全く思いませんが、私は確かに過去に存在したそれがあっての今なんじゃないかな、と常々思っています。
そういう過ぎた思い出や記憶を、ちょっと思い出しただけな時間もまた、悪くない一瞬だと思います。
ああ、あったなこんな時。とか
ああ、あの人元気かな。とか
そんな悪くない一瞬を、2人の時間を通してふと感じていただけたらいいなぁと思います。
そしてやはり音楽の力ってすごいと思います。
私は音楽に常に支えられていますし、それがあるだけでそのシーンや作品の深みが増したり彩が増します。
そんな音楽の力も感じていただけるといいなと思います。――伊藤沙莉©2022『ちょっと思い出しただけ』製作委員会