谷山浩子が、初めてDTMを独習してひとりで作ったアルバム『
浩子の宅録』を11月17日(水)に発売します。
DTMは和製英語“デスクトップミュージック”の略で、パソコンやDAW(DTM用のソフト)等を使用して制作される音楽。またその制作のこと。
きっかけは、2020年12月にスタートした谷山浩子YouTube公式チャンネルの音声コンテンツ「SORAMIMIラジオ」。ライヴ活動が制限される中、自身の近況報告を兼ね、オフィシャル・サイト内でゆる〜く始めた番組です。もともとオールナイトニッポンのパーソナリティーを担当していた経験もあり、素のままのトークを自宅で録音し、それをスタッフが受け取り編集。約30分の番組を不定期に公開してきました。番組の後半、音楽をかけるコーナーでは、自身のCD音源の他にDAWを使ってピアノ音源の弾き語りも。しかしそこから少しずつ欲が出て音を増やしたくなり、せっかくなのでDTMを本格的に学んでいきました。主にネットで仕入れた知識を駆使して、過去の自分の曲を自分でアレンジして新たな装いのセルフカヴァー曲に仕上げていきました。そしてこれらの楽曲がリスナーの間で評判となり、ここだけで聴いているのはもったいない!と、いうことでアルバムを制作することが決まりました。
勉強や試行錯誤の時間も含め、制作期間は12月下旬から9月上旬までの9ヵ月余りを費やしました。アルバムには、既存曲のセルフカヴァーの他、書き下ろしの新曲や、何年も前に作曲したメロディに今年になって歌詞をつけた新曲など、興味深い楽曲も収録されます。アレンジも打ち込みも録音も、もちろんすべて谷山浩子自身によるもので、谷山のイマジネーション溢れる音楽世界を直接感じることができます。「コロナと病気療養で時間がたっぷりあったので、DTMの勉強ははかどりました。それまで使っていたDAWの機能が全体の1%だとすると15%くらいまでは来たかも」と、谷山浩子も自身の成長ぶりに胸を張ります。作詞作曲だけでなく、編曲から楽曲プロデュースに至るまで、全方位型アーティストとしての谷山浩子、待望の異色アルバム『浩子の宅録』。発売をぜひ楽しみにしていただきたいところです。
作品の「顔」となるアルバム・ジャケットは、ふわふわもふもふ系の巨大生物やダークファンタジー物のイラストを得意とする新進気鋭のイラストレーター“もの久保”の「ふすま」を採用。非日常を内包する谷山浩子の世界観に奥深さを添えています。
谷山浩子は来年デビュー50周年を迎えます。来春には50周年記念コンサートの実施も企画しており、他にも谷山ならではの活動展開を計画中とのことで、本作の発売はもちろん、この先の活動にも期待が高まります。
[コメント]もの久保さんのイラストは以前Twitterで見かけて、とても気に入ってpixivで他の作品も拝見していました。巨大動物シリーズと図書館の絵が大好きです。その中で、今回の『浩子の宅録』というアルバムタイトルとコンセプトに合ってる作品を見つけたので、お願いすることにしました。快くOKいただけて嬉しいです――谷山浩子中学生の頃から楽曲を拝聴し、大変尊敬している谷山浩子さんとこのような形でお仕事をご一緒させていただけるとは思わずとても光栄です。作品を気に入っていただけたこと、また今回こうしてお役に立てたことが本当に嬉しいです。今回使用していただいた作品は「ふわふわした不安・不穏」をイメージしておりました。アルバムに収録される素晴らしい楽曲から展開される想像の世界に、作品が少しでもお手伝いになれましたら幸いです。この度は誠にありがとうございました!――もの久保