高橋幸宏が、
YMOの社会現象的ブレイクを経て、ソロ・アーティストとしてのアイデンティティーを確立した80年代前半のソロ・ワークに焦点をあてたリイシュー・シリーズ“ユキヒロ×幸宏 EARLY 80s”。その第1弾として、1980年発表の『音楽殺人』と翌81年発表の『ニウロマンティック〜ロマン神経症〜』が11月24日(水)にCD / LPで同時リリース。また、先行して10月27日(水)に入門編コンピレーション盤『GRAND ESPOIR(グラン・エスポワール)』がCD / LPで同時リリースされます。
『
音楽殺人』は、高橋ユキヒロ(当時表記)がYMOブーム渦中の1980年にキングレコードよりリリースした2ndソロ・アルバム。当時ロック・シーンを席巻していたニュー・ウェイヴ・サウンドをベースに、サーフ・ミュージック、2トーン・スカ、モータウン・サウンドなど多様な音楽要素を加え、高橋のポップサイド全開となった本作はチャート12位のヒットを記録。
ベンチャーズに提供した曲のセルフカヴァー「BIJIN-KYOSHI AT THE SWIMMING SCHOOL」や
シュープリームス1965年の大ヒット曲のカヴァー「STOP IN THE NAME OF LOVE」なども収録しています。参加ミュージシャンも
細野晴臣、
坂本龍一、
大村憲司、
鮎川誠、
シーナ、浅田孟、
サンディー、
久保田麻琴、
立花ハジメ、
東郷昌和など錚々たる顔ぶれ。アナログ盤は初回発売時に準じるクリア・ブルー・ヴァイナル仕様、レーベルステッカーとB2ポスターの封入特典付でリイシューとなります。
翌年発表された『
ニウロマンティック〜ロマン神経症〜』は、アルファ移籍後初リリースとなる3rdソロ・アルバム。細野晴臣、坂本龍一、大村憲司らの日本勢に加え、英ロンドン長期滞在で
フィル・マンザネラ、
アンディ・マッケイ(以上ロキシー・ミュージック)、トニー・マンスフィールド(ニュー・ミュージック)らとレコーディングを敢行。同年のYMO『
BGM』から連なる先鋭的テクノ・サウンドに高橋ならではのロマンティックな美意識を投影した作品で、高橋のソロ作の中でも代表作の1つに数えられています。「ドリップ・ドライ・アイズ」はサンディーに提供した曲のセルフカヴァー。
『音楽殺人』、『ニウロマンティック〜ロマン神経症〜』ともに、リマスタリングを
砂原良徳、アナログカッティングを米国の名匠バーニー・グランドマンが担当。今後第2弾、第3弾と続々と発売予定とのことです。また、入門編コンピ『
GRAND ESPOIR(グラン・エスポワール)』インナーに掲載される高橋幸宏のコメントから、一部が公開されています。
[高橋幸宏 コメント]1980年代前半は、僕の音楽人生の中でも最も忙しく動いていた時期でした。その始まりはぴったり1980年の『音楽殺人』から。YMOが自分たちのサウンド作りに取り入れ構築していったものに、自分の世界観、そして大きく影響を受けていたニュー・ウェーブのテイストを加えた、そのとき一番やりたかったものを好きなように楽しく音にしたのが僕にとっての2ndアルバム『音楽殺人』でした。(中略)あの頃のことを伝えようとすると、いくら時間があっても足りません。(中略)今に続くレコーディング・スタイルや、音楽製作のやり方といったものが確立したのも、この頃、1980年代の前半だったのかもしれないな、なんてことを今になって思います。©Sheila Rock