11月5日(金)より東京・TOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開となる映画『ほんとうのピノッキオ』より、丸太棒から生まれたピノッキオが完成するまでの特殊メイクの過程を捉えたメイキング映像が公開されています。
1883年に出版されたイタリアの作家
カルロ・コッローディの『ピノッキオの冒険』は、100年以上にわたって世界中で読み継がれてきた児童文学で、ディズニーによるアニメーションも広く親しまれてきました。しかし誰もが思い浮かべるのは“嘘をつくと鼻が伸びる”エピソードであり、この名著の主人公の実像を知る人は少ないのです。無邪気な操り人形に見せかけて、実は行く先々でトラブルを巻き起こす“悪童”だということを――。丸太棒が変身したピノッキオの奇想天外な大冒険を『
ゴモラ』の鬼才
マッテオ・ガローネが原点に回帰して、斬新にヴィジュアライズ。旅の途上に登場する世にも奇妙な生きものたち、人生の不条理や社会風刺を盛り込んだ寓話的なストーリー展開を、圧倒的な映像美で描き出しました。本国イタリアで公開されるやその年公開のイタリア映画No.1の動員を記録し、オスカー候補にも名を連ねました。絢爛にして驚きに満ちた、まさに大人のためのおとぎ話と呼ぶにふさわしい、神秘的で驚きに満ちたダークファンタジーがここに誕生しました。
本作の大きな見どころであるピノッキオやクリーチャーたちの特殊メイクは、『
ハリー・ポッター』シリーズや『
ボヘミアン・ラプソディ』など多くの話題作を手掛け、『
グランド・ブダペスト・ホテル』『
マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で2度のアカデミー賞に輝いたマーク・クーリエが担当。今回公開となったメイキング映像では、マーク・クーリエやマッテオ・ガローネ監督が細部まで拘り尽くし、CGを用いずに特殊メイクによってつくられたピノッキオの制作過程の一部始終を切り取っています。
初期段階の構想イラストから、粘土や彫刻などを使用して数えきれないほどブラッシュアップを重ねた後、ピノッキオを演じたフェデリコ・エラピの輪郭に合わせて調整。最終的な造形に辿り着くまでにはなんと約1年もの月日を要したといいます。デザインが固まった後は、ピノッキオを構成するパーツひとつひとつを制作していきます。イメージしたピノッキオを忠実に表現すべく、木目の溝や年輪の一本一本など、その細かいニュアンスを驚くほど緻密に仕上げています。メイキング映像ではピノッキオの鼻や耳といったパーツがずらりと並んだ様子も垣間見えますが、それもそのはず、驚くべきことにそのマスクは一度しか使用ができない“使い捨て”のもの。装着はもちろん、木目の色付けなど一回でも気の遠くなるような作業を毎回ゼロから実施。それを約3ヵ月間の撮影期間中、毎日4時間以上かけて子役のフェデリコ・エラピへ特殊メイクを施したという。まさに“職人”と呼ぶにふさわしい、精密機械のようなメイク技術の高さはもちろん賞賛に値しますが、そんな過酷な現場を駆け抜けた、撮影当時わずか8歳のエラピのプロ意識の高さはさらに驚愕です。ガローネ監督はエラピについて「彼はピノッキオという役を完璧に理解していた。本人の性格自体は(悪童である)ピノッキオとは正反対だったけど、一方でエラピの純粋な部分も生きていた。現場は大変だったけど愛情込めて演じきってくれたんだ!」と絶賛しました。
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