声優とアイドルの活動を両立するハイブリッド・ユニット“
i☆Ris”。2012年にデビューし、『
プリパラ』シリーズの主演をはじめとした声優としての活躍はもちろん、各メンバーが舞台や映画、ソロ・アーティストとして幅広く活動。声優アイドルとしては奇跡の“9周年”を11月7日に迎えました。
2021年4月から5人による新体制がスタートし、4月より開催した全国ツアーは、6人体制ラスト・ライヴからわずか2週間ほどで開幕。フォーメーションや歌割りの変更に苦戦しながらも、逆境を乗り越えて無事全16公演を完走。本公演は5人体制になって初の周年ライヴとなっており、9年の歴史があるi☆Risだからこそ、まだまだたくさんの曲を“5人”のi☆Risとして新たにファンのみなさんに聞いていただきたいところです。その想いを胸に今回もパフォーマンスの変更点に対応しながら開幕を迎えています。
[ライヴ・レポート] i☆Risデビュー9周年を記念した有観客ライヴ&生配信〈i☆Ris 9th Anniversary Live 〜Queen’s Message〜〉は、デビュー9周年当日の2021年11月7日にi☆Risとしては初となる千葉・幕張メッセ・イベントホールにて開催。新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため、会場キャパシティの半分の動員、問診票の記入などさまざまな対策が講じられる中、開演した。大スクリーンにうつされたレッドカーペットに導かれるまま、9つのドアを通り抜け辿り着いたのは、「Queen’s Message」という冠にふさわしい、お城のようなステージ。そこには、王冠とお揃いの青いローブをまとった5人の“クイーン”が登場。久保田未夢の「あれ?ここ、どこだろう?」というセリフで、人気ナンバー「幻想曲WONDERLAND」から、ライヴはスタート。声援を届けられない代わりに、序盤からぴったりと揃う手拍子が、会場の熱気を伝えてくれる。「ありえんほどフィーバー」で5人がローブを脱ぐと、きらびやかな衣装があらわに。それぞれポイントは「露出!」(山北早紀)、「プリンセス!」(芹澤優)、「お腹?」(茜屋日海夏)、「ショートパンツ!」(若井友希)、「透けてる感?」(久保田未夢)と語るように、青色で統一されたなかにも個性が光る。
リーダー・山北自らが作詞した自己紹介ナンバー「5STAR☆(仮)」では、事前に応援レクチャー動画も公開されており、声は出せずとも、ライヴ初披露とは思えない一体感が会場を包む。MCをはさんで、こちらも初披露のキュートなダンスナンバー「Cheer up」へ。見事なフォーメーションダンスを披露し、“声優アイドル”として最上級のパフォーマンスで観客を魅了した。山北の「みんなのこと、誘惑してもいいですか?」という言葉から始まったのは、「Vampire Lady」。続く、焦がれるようなディスコティックナンバー「Baby…」、そして「One Kiss」と、ファンにはたまらないオトナなi☆Risでたたみかけていく。
続いて、波の音が連れてきたのは、お揃いの白いスカートに着替えた5人。さわやかな夏の恋を歌う「Summer Dude」では、スカートが波のように揺れてきらめく。波の音が遠ざかると、ステージは一気に冬の雪景色に。披露されたのは、12月8日(水)に発売の新曲でBitterな失恋ソング「12月のSnowry」だ。「Summer Dude」で描かれた“夏の恋”の続きとなっているこの曲では、さっきまでは白波のように揺れていたスカートも、5人が輪になって踊れば、雪の結晶のよう。儚くも美しいパフォーマンスに、ぐっと引き込まれた。「Happy New World☆」では、5人がそれぞれのトロッコで客席へ。実はi☆Risがワンマンライヴでトロッコに乗るのは9周年にして初めてということで、マスク越しでも伝わる客席の満面の笑顔が、会場いっぱいに広がっていく。星を描くように、5ヵ所のリフターに上り、5人で向き合うように歌ったミドルバラード「Thank you forever!」では、山北が涙をこらえ、感極まってうまく歌えなくなる一幕も。すかさず芹澤が「さきちゃん、リーダーでいてくれてありがとう!」と、口々に自由に声をかける姿に、5人の絆が見えた。
ラストはデビュー曲「Color」、『プリパラ』2ndシーズンのOPテーマ「Goin' On」を熱唱。4月より5人体制を駆け抜けてきた「いま」のi☆Risの全てがぎゅっと詰まった、9周年にふさわしい一夜となった。
アンコール間には、5人からファンのみんなへの直筆の手紙がモニターに映し出された。9周年を迎え、10年目となる現在の素直な気持ちを綴ったそれぞれの「Queen’s Message」に、会場からは温かい拍手があふれた。最後に、それぞれの口から、会場、そして配信で見守る観客へ「Message」が届けられた。
「i☆Risちゃんの9周年をみんなの顔を見ながらお祝いできて、すごく楽しかったです!」(久保田)。「(5人体制になり)今年はたくさんリハーサル頑張りました!今年は本当に応援してくれるみんながいるから頑張れました。ありがとう!」(茜屋)。「9周年というめでたい日に、皆さんとこうして過ごせたこと、本当に幸せです。もっともっと大好きになってもらいたい!」(芹澤)と、観客への感謝を語る姿や、「i☆Risちゃんはライヴになると、パズルがぴたっとはまったような一体感が生まれるんです。9年活動したからこその絆で、本当にi☆Risでよかった、恵まれてるなって思います。」(若井)と、メンバーへの愛を語る姿も。最後に、リーダーの山北が、「21歳からアイドルを始めました。i☆Risが最初で最後のアイドルです。デビュー当時いろいろありましたが、大人になって、i☆Risがどんどん居心地のいいグループになっています。引き続き地道にコツコツ頑張って……売れるぞ〜!」と、10周年に向けた決意を表明した。
終演後には〈i☆Ris 9th Anniversary Live 〜Queen’s Message〜〉の公式アフターパーティを配信サービス「AWA LOUNGE」にて開催。視聴者はコメント機能を用いて、リアルタイムで感想を共有しながら、ライヴのセットリストやリクエスト曲の視聴を楽しんだ。終了後は、「AWA」のリアルタイムランキング1位〜40位までをi☆Risが独占するなど、ライヴ後も大きな盛り上がりを見せた。
本公演は、現在アーカイブ配信中。配信チケットは11月14日(日)21:00までの販売となっているので、ぜひあなたの目で「Queen’s Message」を受け取ってほしい。
i☆Risは2022年より10周年イヤーに突入。同年4月からは8ヵ所16公演を巡る全国ツアー〈i☆Ris 7th Live Tour 2022〉の開催や、12月8日(水)発売の21stシングル「12月のSnowry / ハートビート急上昇」では、約2年ぶりのリアルでのリリースイベント(特典会)も決定している。本公演で初披露した「12月のSnowry」は、音源・MVの先行配信もスタートしているので、こちらも忘れずにチェックしよう。文: 三原二子 写真: 上山陽介、木村泰之