ディズニープラスにて全3話見放題で独占配信中のドキュメンタリー作品『ザ・ビートルズ:Get Back』。内容はもとより、半世紀以上前に収録されたものとは思えない映像と音声のクオリティの高さも話題になっているこの作品の修復作業について、監督の
ピーター・ジャクソンとスタッフが語る特別映像が公開されました。日本語字幕付き。
このドキュメンタリー作品の素材となった、マイケル・リンゼイ=ホッグ監督による映画『レット・イット・ビー』(1970)のための映像は、16ミリフィルムで撮影されたものを35ミリに引き延ばしたものでした。結果、粒子が粗く退色しており、とても暗い質感の作品になっていました。そこでジャクソンは、映画『彼らは生きていた』(2018年のピーター・ジャクソン監督作)でも使われた、ニュージーランドのウェリントンにあるパーク・ロード・ポスト・プロダクションによって苦心の末に、見事にすべて自然な色に修復させました。監督の隣で「各ショットごとに細かく確認しながら修復した」と話すのは、これまでピーター・ジャクソン監督の『
ホビット』シリーズや、『彼らは生きていた』でも編集を務めたジャベツ・オルセン。ピーターと長年にわたって仕事をしてきたチームとの作業によって、本作が出来上がったことがわかります。
映像に勝るとも劣らない修復ぶりを見せたのが音声です。ジャクソンが「音声修復の技術は驚異的だ」と語るように、AI(人工知能)を活用した機械学習システムは、まさに目から鱗が落ちるほど。モノラルのアナログ・テープで録音された当時の素材は、ヴォーカルの音量が低く、ギター音が大きすぎるなど、バランスの悪い部分が多々ありました。そこで、楽器の音やメンバーの声を判別できるように機械学習システムに覚えさせ、それぞれの音を抽出し再びミックスを施すことで、もう一度バランスを取ることが出来たのです。こうして、これまで楽器の音にかき消され、聞き取り辛かったメンバー同士の会話もはっきりと聞こえるようになり、よりディテールに富んだ作品が完成しました。
修復作業に関する特別映像とあわせ、ルーフトップ・コンサートでの演奏シーンも公開中。また、12月22日には
ポール・マッカートニーがプロデューサーの
リック・ルービンと会話を交わしながら、革新的な
ビートルズ時代、そして70年代のアリーナロックを象徴する
ウイングスから50年以上にわたるソロ活動など、自身の音楽キャリアを紐解いていくドキュメンタリー作品『マッカートニー 3,2,1』の配信がディズニープラスでスタートしました。
©2021 Apple Corps Ltd. All Rights Reserved.