中盤のハイライトとなったのは恒例となっている「DADA」と「おしゃかしゃま」の流れだ。洋次郎が指揮者となりソロ回しが展開され、それぞれのプレイヤーとしてのスキルやパーソナリティがフィーチャーされていく。「おしゃかしゃま」で武田、TAIKING、沙田の3人はセンターステージに移動し、そこでバトル形式のような格好で互いのプレイをぶつけ合った。武田が会場の空気を震わせるスラップを披露すれば、TAIKINGはディープ・パープルの「Smoke on the Water」のあのフレーズを引用しつつハードなソロを奏で、沙田もフライングVでそれに応えながらギタリストとしての悦びを解放するようにしてフレーズを編んでみせた。洋次郎もまた「匿名希望」でセンターステージに立った。『FOREVER DAZE』の中で最もシニカルでダークなムードに覆われ、洋次郎が現行のトラップ/ドリルを昇華するようにして舌鋒鋭いラップを放っていくこの曲のただならぬ緊張感もまた、RADWIMPSのライヴにとって不可欠な要素といえる。メインステージのヴィジョンにはのっぺらぼうとなった人間の不穏な映像がうごめき、センターステージにたどり着いた洋次郎が緑のレーザーに四方を囲まれながらオーディエンスの頭上にせり上がっていく演出も見事だった。