hideの実弟・
松本裕士の著書『兄弟 追憶のhide』(講談社文庫刊)をもとに、hideが遺した音楽を世に届けるため奮闘する弟たちの軌跡を描いた、映画『TELL ME 〜hideと見た景色〜』が2022年夏公開。先日都内にて、主要キャストのクランクアップを迎えました。
主人公hideの弟・松本裕士役で映画初主演を務めるのは、俳優、歌手、タレントとして映画、テレビ、舞台など多方面で活躍する
今井翼。hideの共同プロデューサー
I.N.A.役で共演するのは、hideのドキュメンタリー映画『JUNK STORY』でナレーションを務めた
塚本高史。hide役を演じるのは、ロック・バンド“
FUZZYCONTROL”のギターヴォーカル、そしてソロでも活動するロック・ギタリストの
JUON。
本作が映画初主演となる今井翼は、実在の人物を演じるにあたり、プレッシャーや葛藤も多かったといいますが、
塚本連平監督と演技について話し合うなど、芝居に対する真摯な姿勢、初主演作への意気込みも十分。およそ1ヵ月にわたる撮影を熱く駆け抜けました。hideの弟でマネージャーの裕士が運転するhideの車は、本作のためにエンジンや内装などがレストアされた、本物のhideの愛車「ダイムラー ダブルシックス」を使用。他にも、裕士のスーツや、
hide with Spread Beaverのメンバーたちの色鮮やかで個性的な私服、hideの愛用品など、当時の資料や映像を参考に、1990年代を再現した衣裳や小道具が用意されました。
クランクアップの日は、裕士役の今井、I.N.A.役の塚本、バンドメンバーたちほか主要キャストが集結し、都内にてhide事務所の撮影。裕士がI.N.A.らバンドメンバーたちと一緒に準備していたアルバムの制作に暗雲が立ちこめる……というシリアスなシーンを撮影しました。1ヵ月近い撮影を通じて、気心知れた様子のバンドメンバーたちは、塚本を中心にチームワークもバッチリ。和気あいあいとした様子のバンドメンバーたちとは対照的に、シリアスなシーンが続く今井は集中力を高め、芝居に全精力を注いでいました。撮影は順調に進み、クランクアップを迎えたキャスト陣は、塚本監督からお酒をプレゼントされ、嬉しそうな表情を見せていました。
塚本連平監督は撮影を振り返り「今井さん演じる裕士はさまざまな面を持ち、繊細に心を動かさなければならない役どころなので、彼の緊張をほぐし、それで大丈夫だと言い続けるのが僕の仕事でした。早い段階で、今井さんと塚本さん、お二人のいいコンビネーションができあがっていたと思います」と笑顔で語りました。I.N.A.役の塚本高史は「やっとみんなと仲良くなってきたかなという頃に終わってしまうのは、本当に寂しいです。自分が小さい頃から憧れていた人の映画に関わることができて。ましてやI.N.A.という重要な役に選んでいただいて。きっと僕が出ていなかったら、ものすごく嫉妬してたと思います(笑)。公開を楽しみにしております」と安堵の表情。
主演を務めた裕士役の今井翼は「1年越しのクランクインからこの日を迎えられて、まずはホッとしています。実話であり、役どころとしても日々葛藤することがありましたが、塚本監督が日々寄り添ってくださったおかげで、自分なりに心を込めて、丁寧に演じさせていただくことができました。皆さんとこの作品を作り上げられたことを誇りに思っております」と晴れやかな表情。周囲のスタッフたちから大きな拍手が送られ、キャスト陣も名残惜しそうな様子を見せていました。
©2022「TELLME」製作委員会