9人組ミクスチャー・ユニット、SUPER★DRAGONが、3月23日にリリースした4thアルバム『Force to Forth』を携え全国6都市11公演を巡るツアー〈SUPER★DRAGON LIVE TOUR 2022 -F2F-〉を3月24日(木)よりスタート。アルバムに収録された全10曲を含む21曲を披露し、そのうち6曲は初披露楽曲ながら、初日とは思えない完成度の高いパフォーマンスで会場を沸かせました。
また、終演後には、夏にファンクラブ限定ツアーを東名阪で開催することもサプライズ発表されました。
[ライヴ・レポート] 3月23日に4thアルバム『Force to Forth』をリリースした9人組ミクスチャーグループ・SUPER★DRAGONが、翌24日に全国ツアー『SUPER★DRAGON LIVE TOUR 2022 -F2F-』をZepp DiverCityにて開幕した。全国6都市11公演にのぼるツアーの初日となったこの日は、アルバムに収録された全10曲を含む21曲をパフォーマンス。そのうち実に6曲が初披露にもかかわらず、着実に自分たちのものとして消化し、趣向を凝らしたメニューと入念な準備で確たる進化を見せつけた。終演後には夏にファンクラブ限定ツアーを東名阪で開催することも発表。『Force to Forth』というアルバム名が意味する通りの“前に進む力”を証明して、BLUE(SUPER★DRAGONファンの呼称)で満員の客席を沸き返らせた。
機械仕掛けを思わせる動きと不穏な響きで、ダークファンタジーの世界へと観る者を引きずり込む「Welcome to my hell」に、メンバー同士絡みながら歌詞に描かれた愛しさを丁寧に振りに乗せてゆく「love or like (Tokyo)」では、これまでになく幻想的なムードも。対照的にジャン海渡、田中洸希、松村和哉の3ラッパーが、それぞれ自作のリリックを高速ラップで数珠繋ぎする重低音UKドリル曲「2U」では、社会風刺にまみれた危険な攻撃性を究極のクールで見せる。一方で古川と池田彪馬のメイン・ヴォーカル2人が歌の力のみで美しき退廃を創り出したり、志村玲於、飯島、伊藤壮吾、柴崎楽らダンサー陣ならではの見せ場も。瞬く間に組み合わせを変えて繰り出される衝撃的なダンスセクションといい、2段組みのステージセットを活かした自由すぎるフォーメーションの無双ぶりには、BLUEも釘付けになるほかない。
9人という人数を活かしたバリエーション豊かな編成は、楽曲の振り幅が広がるのに伴って威力増大。静と動のメリハリあるフォーメーション変化に池田の超ハイトーンが澄み渡る「 Pioneer (Keep It Real)」、飯島のアクロバットが冴える「Purple Moon」と、舞台上のメンバーが次々に入れ替わる大胆なパフォーマンス構成が、洗練されたサウンドと相まって洒落た空気感を演出してゆく。また、メンバー自身が振りを考案した「Bad Day」は、BLUE歓喜のキュートな振り付けも交えつつ、とことんBLUEと共に楽しむことに徹しており、“Bad Dayを吹き飛ばして前向きに行こう”という楽曲のメッセージを、彼ららしい茶目っ気でアピールしてくれた。
さらに“前に進む力”の源である彼ら自身の覚悟を、古川、ジャン、松村が歌詞に落とし込み、シリアスなトーンで壮大に映し出した「X」も存在感抜群。田中のヒューマンビートボックスが炸裂してスパドラの新たなアンセム候補に名乗りを上げた最新型ヘヴィ・ロック「Shut Up, Shout Out」は、スパドラ恒例のブチ上がりブロックの強度を高めて、客席をリアルに揺らした。曲終わりには松村が“黙って叫べ!”とタイトル通りの喝を入れ、今だからこその形で“前に進む力”を注入。一方、アルバムのラストソングでもあるバラード「-Tweedia-」の披露前には、「出会いがあれば別れも来るのは運命。その一つひとつを肯定し合うことによって、また良い未来が待っていればいい。そうやって、みんなの背中を後押ししたい」と古川が語り、情感のこもったボーカルと細かい手の動きで、別れを超えて“前に進む力”を雄弁に物語ってみせた。まるで正反対のテイストにもかかわらず、どのベクトルからでも“Force to Forth”を提示できるのは、その力が彼ら自身のみならず、BLUEにこそ向けられたものだからなのだろう。