監督・
山下敦弘と脚本・
宮藤官九郎が初タッグを組み、台湾映画『1秒先の彼女』の日本版リメイクを製作することが決定。この度、山下と宮藤のコメントが公開されています。
台湾映画『1秒先の彼女』は、何をするにも人よりワンテンポ早い彼女と遅い彼の、消えた“1日”を巡るラヴ・ストーリー。愛すべきはみ出し者たちをユーモアと優しさ溢れる眼差しで描いてきた
チェン・ユーシュン監督が、20年前から温めていた脚本を基に撮りあげた作品です。オリジナリティあふれるアイデアと巧みなストーリー展開が観る者の心を掴み、第57回台湾アカデミー賞(金馬奨)で最多5冠(作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、視覚効果賞)に輝きました。
メガフォンをとるのは、『
リンダ リンダ リンダ』『
天然コケッコー』『
苦役列車』などの作品が国内外で高く評価される山下敦弘。不器用で生きづらさを感じながらも真っ直ぐに生きる人々を描き続け、熱狂的なファンも数多いです。脚本を務めるのは、唯一無二のユーモアセンスとキャラクター造形で、ドラマ『
あまちゃん』『
俺の家の話』や映画『
土竜の唄』シリーズなど、数々のヒット作を世に送り出してきた宮藤官九郎。既存の映画作品のリメイクの脚本を手がけるのは本作が初となります。
リメイク版は舞台を日本に移し、映画ファンの胸を高鳴らせるこの豪華初タッグで新たに生まれ変わります。
[コメント]『1秒先の彼女』を観て主人公のシャオチーを演じるリー・ペイユーのファンになり、リメイクに名乗りを挙げさせていただきました。が、しかしチェン・ユーシュン監督の唯一無二なその世界観、“時間にまつわるファンタジーラブロマンス”と書いてしまえば簡単に聞こえますが、映画全体にユーシュン監督のエッセンスというか“魔法”みたいなものがふりかけられていて、そう簡単にリメイクさせてはくれない作品を前に思考が停止してしまい、一体どうやってリメイクすればいいのか全く分からなくなってしまいました。と、その時、脚本家・宮藤官九郎という救世主が現れ、自分たちなりの“魔法”のかかった新たな作品として作る意味と楽しさを授けてくれました。宮藤さんとは俳優としてご一緒させていただいたことはありましたが、監督と脚本家という立場は初めてで、どう接すればいいのか分からずにいましたが、今は完全に甘えています。自分としては5年振りの長編映画なので、初作品を作る新人監督のつもりで臨みたいと思っています。――山下敦弘山下さんの作品に呼んで頂いたり、山下さんが僕の作品に出てくださったりしましたが、いよいよ監督と脚本家という、シャレにならない形で関わることになりました。感無量です。
既存の作品のリメイクは初めての経験でしたが、オリジナルのファニーで可愛らしい印象は残しつつ、せっかく山下監督が撮るんだからと欲張って、人生の苦み、もどかしさ、おかしみなどのエッセンスを盛り込み、我ながらいい塩梅に変換できたと思います。
何しろ監督も僕も、台湾版の結末に心を掴まれ、あの読後感を大事にしようという一点では一致していたので、途中、寄り道しますが、ゴールは一緒のはず。楽しみです。
すいません、キャスト発表できたら、もっと色々言えるんですが。キャストの名前、早く言いたい!――宮藤官九郎
■『1秒先の彼女』
2023年公開
配給: ビターズ・エンド