自らをアブストラクト・ポストパンクと評し、普通のロック・バンドの編成とは異なるアンサンブルで、メロディアスながらもカッティング・エッジなオリジナル・サウンドを追求してきた
Pot-pourri (ポプリ)が、2019年の1stフル・アルバム『Classic』(クラシック)以来となる、2ndアルバム『
Diary 』(ダイアリー)を5月8日(日)にリリース。あわせて、アルバム収録曲「Comic」のリリック・ビデオを公開しています。
6曲入りながら、フル・アルバムのヴォリュームで届ける新作『Diary』は、世界的にも、全楽曲の作詞・作曲を手掛けるフロントマンのSawawo個人的にも、壮絶で大きな変化のあった時期(2020年〜2021年)に制作された楽曲群が収録されています。変化の渦中に「変化に慣れる前に、いまあることを忘れたくない」という想いで取り組み、なおかつ、聴きかえした際にノスタルジーにならないような作品にしようと思い、Sawawoは「記録する」「録音する」ということへ拘り、あえて宅録やフィールドレコーディングなどを多用しています。
前作『Classic』と比べると、『Diary』は歌詞もサウンドもかなり拡がりのあるものになり、より多くの人に届きうる作品となりました。録音環境は多岐に渡りますが、むしろソングライティングの個性がより際立ち、前作以上にアルバムとして統一感のある作品となっています。
サウンドメイキングにおいては、Sawawoの音楽嗜好の核になるものを掘り下げるように、黎明期のイギリスのポスト・ロック周辺(
トーク・トーク の『
Sprit of Eden 』期、
A.R.ケイン の『Sixty Nine』やBark Psychosis等)や、前作以上にプログレッシヴロック(特に『
アイランズ 』期の
キング・クリムゾン )的なものが意識的・無意識的に反映されているようなところから始まり、完成が近づくに連れて、
レディオヘッド の『
アムニージアック 』や『
ア・ムーン・シェイプト・プール 』、スウェーデンのミュージシャン、
スティーナ・ノルデンスタム の『Dynamite』や『People Are Strange』(カヴァー・アルバム)との類似性を感じさせるようになりました。
音の質感はTirzahおよび
Micachu (ミカ・レヴィ)の参照に始まり、Slauson Malone、
Wool and the Pants 等、ジャンルを超えた現代のローファイ感を自分達なりの解釈で導入しています。メンバーとしてプログラミングで参加するRYO NAGAI a.k.a.液晶が全曲のミキシングを手掛け、彼がリスペクトする
ナイン・インチ・ネイルズ 、
ノーツイスト や
ラディアン のようなポストパンク、ダブ、エレクトロニカ / IDMの流れを汲んだ、轟音と静寂が同居するサウンドを作り上げました。
できあがった作品はレーベルであるHEADZの繋がりもある
detune. や、
君島大空 の作品に通底する変則的な構成やファンタジックな世界観も見せています。メンバーも影響を公言する
People In The Box が日本のオルタナ・バンドとしてのスタンスを崩さず確立した、モダンでもある独自のポップ・スタイルに近い空気感を持った、前作以上に唯一無二な音楽性に到達した素晴らしいアルバムとなりました。
マスタリングは
DUB SQUAD /
ROVO の益子樹が担当し、Pot-pourriの理想とする立体感のあるサウンドに仕上げました。アートワークとデザインは前作『Classic』に引き続き、『バベルの設計士』(ジャルダンコミックス)で知られる“建築漫画家”芦藻彬が担当し、Pot-pourriの音楽を立体物のCD装丁を含めたヴィジュアルで表現しています。
また、
Dos Monos の没 aka NGSは、「Pot-pourriの〈Diary〉を続けて3回聴いた。このアルバムに〈Diary〉とつけたくなる意味はすごくよくわかる。ほんとに“待ち遠しかった”んだなと思った。自分は一瞬思ったことを雑に記録してしまうタイプなので、(結果は全然重くなくて、むしろ軽やかだけど)時間にアグレッシブにヘヴィに向き合えるSAWAWO君が羨ましいです!リリースおめでとうございます」とコメントを寄せています。
VIDEO
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■2022年を4月20日(水)配信開始Pot-pourri 「In Profile」 iTunes(Apple Musicを含む)、Amazon(サブスクのみ)、AWA、YouTube Music、KKBOX、Deezer、facebookで配信 ■2022年5月8日(日)発売Pot-pourri 『Diary』 CD HEADZ-253 2,090円(税込)