音の物理現象を利用した実験的な音楽作品でありながらもアトラクティブなパフォーマンス『100 Keyboards』で、ヨーロッパを中心に世界25ヵ国以上でツアーを行なうなど、近年海外での活躍が顕著な石川県・金沢在住のサウンド・アーティスト“
ASUNA”が、東京・三鷹のSCOOLにて新作のシアターピース『Falling Sweets / Afternoon Membranophone』の初演を5月28日(土)、29日(日)に開催。予告編として、本作のパフォーマンスの一部であるダイジェスト映像が公開されています。
スティーブ・ライヒや
フィリップ・グラス、
メレディス・モンク、
ローリー・アンダーソン、
マース・カニングハムなど数々の伝説的アーティストの代表作の初演が行なわれてきたことでも知られる、米ニューヨーク随一の芸術劇場BAM(ブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック)から直接招聘を受け、昨秋に3日間に渡り代表作『100 Keyboards』の単独公演を上演、実験的なプログラムでありながらも全公演ソールドアウトとなる快挙を達成したASUNA。これまで日本では電子音楽家としての側面が知られていましたが、近年の度重なるヨーロッパでの国際芸術祭や現代音楽祭への出演によって評価が高まりBAMでの単独公演も含め、現在急速に欧米のメジャーなアート・シーンや実験音楽の世界で注目を浴びるアーティストとなっています。
予告編は、2021年春に神戸・塩屋の旧グッゲンハイム邸にてエストニアのオンライン・フェスティバル『Kõheda Vastasmõju Festiva』のために配信のみで行われたパフォーマンスの模様。今回のSCOOLの公演ではさらに新しいパフォーマンスが追加され新作として発表される予定です。
新作『Falling Sweets / Afternoon Membranophone』では、一組の男女による二つの食事風景が展開。食事は色とりどりのお菓子で、すべての食器類はオモチャ楽器や電子楽器などに置き換えられています。少しずつ進められる食事の行為とともに楽器類が鳴り響きますが、物理的な現象をともなう意表をついた仕掛けの数々と、それら全てがお菓子の食事によって鳴らされるという演劇的で新しいサウンドパフォーマンスの試みとなっています。チョコレートの銀紙によるガルバニー電流で電子楽器にエラーを起こさせ、キャンディーの重力によって楽器が偶発的に鳴らされる作品『Falling Sweets (Chocolate, Candy & Drops)』に加え、今回初披露となる新作『Afternoon Membranophone』では膜鳴楽器の張力や振動に焦点した物理的な現象を用いながらもサラダを食べるように演奏され、可憐で不可思議な食事風景として演じられます。今回は食事相手として、元ストロオズで実兄とのユニット“Family Basik”として
畠山地平が運営する「White Paddy Mountain」からアルバムをリリースし、ソロでも
ヘニング・シュミートや
Cuusheなどのリリースで知られるFLAUよりアルバムをリリースしているシンガー・ソングライターの
加藤りまをゲストに迎えて演奏されます。
5月28日(土)、5月29日(日)はASUNAの久しぶりの東京単独公演であり、近年は海外の国際芸術祭や音楽祭への出演がメインとなっている中、国内でも貴重な機会となります。なお、5月29日(日)は無観客でのライヴ配信が実施されます。詳細は、公演サイトをご確認ください。
photo by Julieta Cervantes