2021年にスタートしたバイエルン国立歌劇場の自主レーベル「BSOrec」から、第2弾CDとして
ウラディーミル・ユロフスキ指揮
バイエルン国立管弦楽団『ベートーヴェン:交響曲第2番、ブレット・ディーン:テスタメント』が7月22日(金)に発売されます。
2020年10月5日と10月6日に独ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場で開催された、ロックダウン後初のアカデミー・コンサート(バイエルン国立管の定期演奏会)を収録。演奏者も聴衆もとくべつな思いを持って臨んだ公演の模様を聴くことができます。また、2021/22シーズンから劇場の音楽総監督兼オーケストラの首席指揮者に就任したユロフスキとの初録音でもあります。
収録曲は
ベートーヴェンの交響曲第2番と
ブレット・ディーンの「テスタメント - 管弦楽のための音楽(原曲: 12人のヴィオラ奏者のための音楽)」。ディーンの曲名にある「テスタメント」とは、ベートーヴェンが書いた「ハイリゲンシュタットの遺書」のことで、ディーンは遺書の内容に加えてその筆跡や筆圧などに刺激を受け、湧き上がる創造力と苦悩とのせめぎ合いを思わせるエネルギーに満ちた音楽を作曲しました。随所にベートーヴェン作品(ラズモフスキー第1番など)が引用されています。オリジナルは12人のヴィオラ奏者のための作品でしたが、ここでは管弦楽用に編曲されたものが演奏されています。
あわせて演奏されたベートーヴェンの交響曲第2番は、「ハイリゲンシュタットの遺書」と同時期に書かれたもの。「ハイリゲンシュタットの遺書」の凄絶な内容と対照的に、苦悩の陰の薄い晴朗な音楽と見られがちな交響曲第2番において、ユロフスキはきわめて力強くダイナミックな解釈を繰り広げています。ユロフスキは早くからベートーヴェンに多面的に取り組んでおり、
エイジ・オブ・インライントゥンメント管弦楽団との演奏ではピリオド楽器の奏法と発想を研究し、
ベルリン放送交響楽団とはマーラー編曲版をとりあげています。ベートーヴェンのオーケストラ・スコアの持つ可能性について研究と実践を重ねてきたユロフスキらしい、細部まで精緻かつ力強くて激しい音楽となっています。
また、国内盤には音楽評論家・片桐卓也による日本語解説が付きます。