ドラマー / シンガー・ソングライター / プロデューサーなどさまざまな肩書を持つ
あだち麗三郎が、2009年に発表した
1stをリメイクした2021年の
アルバムを披露する〈あだち麗三郎 『風のうたが聴こえるかい? 2021』完全再現ライブ〉を6月22日(水)に東京・渋谷WWWで開催します。この会場で、2021年6月から2022年5月まで「AVE | CORNER PRINTING」で連載していた全国各地の湧き水を紹介するテキストに書き下ろしを加えた冊子『水をあつめて』が発売されます。あだちがおすすめする水のペットボトルとのセットで1,760円(税込)。
音楽家として活躍する一方、療術院「ぽかんと」の代表として多くの人に施術してきたあだちにとって、各地の湧き水を飲み味わうことは、味覚ひいては肉体そのものの“感覚”を研ぎ澄まし、体内や思考のわずかな変化を味わう行為でもあります。国内の湧き水ガイドとしても読める『水をあつめて』では、各地の水を味わうなかで起こった肉体的 / 精神的な変化を綴っています。
[本文より]水の味の違いなどよくわからないと言われるが、誰だって慣れればわかるようになってくる。ぼく自身、音楽家として最近はミキシングの仕事が多いのだが、録音する機材の違いとか、楽器の違いとか、録音する空間の違い、マイクの違い、ケーブルの違い、色々と違いの種類がわかるにつれてわかってくるのだ。“分かる”とは、文字通り“分ける(分類する)”ということだから。
真に理解するなんてことは必要なく、ただ違いがあって、それぞれの差異を感じ、そこに純粋な楽しみがあるという世界はすてきだと思う。純粋な水が存在しないように、“理解する”ことなんて自然界には存在しないのだから。――あだち麗三郎