1979年に放送された日本ロボットアニメの金字塔にして、ガンダムの原点『
機動戦士ガンダム』の第15話「ククルス・ドアンの島」。放送以来、
劇場版3部作でも描かれることがなかった、ひと際異彩を放つ第15話は、今でもファンの心に残り伝説のエピソードと呼ばれています。この度、ガンダムとアムロの物語『
機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙』の劇場公開から40年の時を経て、伝説のエピソード「ククルス・ドアンの島」とともに、待望の映画化が決定。ガンダムファンにお馴染みのホワイトベースの仲間たちやモビルスーツが登場するほか、最新のアニメーションで描かれる大迫力のモビルスーツ戦は必見。壮大なスケールでよみがえるRX-78-02ガンダムとアムロの物語に乞うご期待。
本作は、TVアニメ『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザイン・アニメーションディレクターであり、累計発行部数1,000万部を超えるヒット作『
機動戦士ガンダム THE ORIGIN』を手掛けた
安彦良和が監督を務め、名だたるスタッフと声優が集結し本作を盛り上げます。そんなシリーズ最新作『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』は、6月3日より絶賛公開中ですが、6月28日に東京・新宿ピカデリーにて、公開記念特別上映・スタッフトークイベント第2弾が開催されました。
[オフィシャル・レポート] 絶賛公開中の本作、巷で好評のスタッフトーク第2弾を実施したのだが、まさかの安彦監督の到着が遅れているとのことで、安彦監督不在でイベントがスタート。
まず初めにイム副監督は「皆さん、もうマックのコラボバーガーを食べました?私は食べました!」と現在、『機動戦士ガンダム』と絶賛コラボ中のマクドナルドの話題に触れ、ガンダムトークで挨拶。
イベントがはじまると早速、スクリーンに投影されている安彦監督による描き下ろしイラストについて「このイラスト、とても素敵ですよね。イキイキしたドアンの顔が好きです。このセリフは安彦監督本人の声で再生されますね(笑)」とイムが絶賛。続けて「以前、古谷徹さんが舞台挨拶の際に客席を見てファンのみんなが待っててくれたんだなと涙を流していましたが、自分も同じように舞台挨拶に立たせていただいて、古谷さんが言っていたことを実感しています。長く1つの作品を愛せることは素晴らしいことなので、有難いですね」と感動していた。
ここで、遅れて安彦監督が登場し、登壇者揃ってのクロストークに。
音響監督を務めた藤野は今回が初めての舞台挨拶とのことで、本作への関わりとして「作品が始まる時から、どのようなキャスティングでいくか、どんな音楽、効果音をつけるか決めていきました」と、作品での主な作業内容を説明。
藤野が安彦監督と一緒に初めて仕事をしたは40年前の『クラッシャージョウ』。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』以来8年ぶりに安彦監督とタッグを組んだ。藤野は「安彦さんと久しぶり一緒に仕事しまして、色々と感動しました。楽しい作品に関わらさせていただいたと思っております」と、嬉しそうに答えた。
また、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』当時、ホワイトベースクルーの新キャストを決める際の基準として、前の声優さんに敬意を込めて、イメージを壊さないようにしたと話す安彦監督と藤野はララァとセイラのキャスティングには苦労したようで、「お母さんの潘恵子さんがララァをやっていらしたので、当然、親子2代でララァをやると思っていたんですけど、あまりにも上手だったので、セイラでお願いしようと思いました」とかなり思い切って選んだと振り返る。
そして、本作での印象に残った場面の話題になり、藤野は子供の食事シーンが印象に残っているようで、藤野「子供の食事をするシーンや自由に話すところがあるんですけど、コロナということもあって一緒に録れなかったんです。大人でも難しいのに、子供に一人ずつガヤをさせてしまいました。なので、そこをイムさんが心配なさって、細かく一つ一つガヤの台詞を書いて子役の方々とやり取りしていたのが印象的でした」と話す。これに対して、イムは「台詞を新しく入れるのがプレッシャーだったんですけど、藤野さんと相談しながら自然になるように調整しました」とガヤ用の台本を丁寧に書いたと制作を振り返った。
改めてオススメのシーンを聞かれたイムは「どのシーンも愛情込めて、スタッフみんなが妥協せずに作っていますので、選ぶのが難しいんですけど、長く応援してくれているガンダムファンの皆さんに見てほしいなと思うのが、艦長室に色々ネタが仕込まれているところですね。田村(篤)さんにわざわざ書いていただいたところもあって…」と、キャラクターデザイン・総作画監督の田村(篤)とこだわって作ったホワイトベースの艦長:ブライト・ノアの部屋のシーンをあげ、「逆にどこのシーンが良かったか感想をどこかで聞ける機会があったら嬉しいなと思います」と続けた。
次に、作品全体の中で、グッと感動するところがあると語る藤野は「TVアニメと比べて子供が多く描かれている分、子供たちの声も通して見てもらって感動していただきたいです。また、エンドクレジットタイトルの横に、安彦監督の絵が出てくるんですよね、そこも注目してほしいです」と、本作ならではの魅力をアピールしつつ、安彦監督の描き下ろしイラストが贅沢に散りばめられているエンドクレジットについて触れた。
最後に、イムは「多くの方に懐かしいねと思っていただけたら嬉しいです。周りの方にも、ガンダムはただのロボットアニメじゃない、人間ドラマだよとお薦めいただけると嬉しいです」とメッセージを送り、安彦監督は「見た方から、たくさんの意見をもらいますが、こないだ対談した樋口(真嗣)監督にも褒められたんですよ。また作品を作ってくださいとエールを送ってくれました。良い人ですね。ちなみに、今日の衣装は森口博子さんにいただいたんシャツです。愛のこもった衣装です。こうして沢山の人から反応をいただきまして、どちらを向いても感謝しかありません。気持ちのいい仕事ができ、気持ちのいい後味です。あともう一つ、所沢の水道屋さんが今日こちらの会場にいるんです。その方にも感謝を伝えたいです。ありがとうございます」と会場に来ていた安彦監督宅の水道工事を担当しているという方にも感謝を述べ、和かなムードでイベントが終了。 ©創通・サンライズ