ヴァイオリニストの
ヒラリー・ハーン(Hilary Hahn)が、ニュー・アルバム『エクリプス』を10月7日(金)に発表します。
収録曲は、2021年4月にフランクフルト ヘッセン放送ゼンデザールで開催された
アンドレス・オロスコ=エストラーダ指揮
フランクフルト放送交響楽団との無観客公演で披露された
ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲と、同年6月にフランクフルト アルテオーパーで開催されたパンデミック後はじめての有観客公演で披露された
ヒナステラのヴァイオリン協奏曲と
サラサーテのカルメン幻想曲。このなかから「サラサーテ:カルメン幻想曲 作品25」の第3楽章:Allegro moderatoと第4楽章:Moderatoが先行配信中です。
この3つの作品には、それぞれの作曲家が長い間故郷を離れていた共通点があります。チェコ共和国出身のドヴォルザークとメキシコ出身のヒナステラはアメリカで、スペイン出身のサラサーテはほぼ永久的にツアー活動をしていましたが、それぞれ独自の芸術を世界に発信しながらも、みずからの文化的ルーツに触れ続けました。2019年から1年間の長期休暇をとったハーンは、これらの作曲家が異国の地で貫いた“自分らしさ”は、自身の音楽的アイデンティティを再認識するきっかけになったと言います。さらに「私にとってこのアルバムは、困難な時期に、力強く美しいものを作った軌跡です。カルメン幻想曲の最後の音を弾いたとき、本当に難しいことを乗り越え、人として、音楽家として、より強くなったように感じました」とコメントしています。
©OJ Slaugther