ヴァイオリン奏者の
ジュリアーノ・カルミニョーラ(Giuliano Carmignola)が、『J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 ヴァイオリン版(全曲)』を9月9日(金)に発表します。
編曲したのは、カルミニョーラとは20年にわたって共演を重ね、
イ・ムジチ合奏団のメンバーとして活躍するマルコ・セリーノ。新型コロナウイルスが蔓延する直前に楽譜を入手したカルミニョーラは感銘を受け、友人でチェリストの
マリオ・ブルネロの協力を得て、2021年8月にイタリア北部のロンゴモゾ ペーター・メイヤー・ホールで録音しました。
チェロとヴァイオリンの調弦は1オクターヴと5度違うため、この編曲でも基本的に5度上に移調されています。また、第5番ではチェロと同様に第4弦を1音下げるスコルダトゥーラを採用。そして5弦のチェロ・ピッコロ(2〜5弦の調弦はヴァイオリンのちょうど1オクターヴ下)のために書かれたとされる第6番は原調にて臨んでおり、本来は低いC弦を使う箇所のみ、音楽の流れを崩さぬよう1オクターヴ上げて演奏されています。このためヴァイオリンでも軽やかな表情が可能となり、チェロのものとは大きく違うものの、ヴァイオリンならではの自在な表現で美しく歌われる無伴奏チェロ組曲が誕生しました。カルミニョーラならではの活き活きとした表情が大きな魅力となっています。