2018年本屋大賞受賞、累計発行部数130万部突破の
辻村深月による大ベストセラー小説を劇場アニメ化した『かがみの孤城』が、2022年冬に公開されます。このたび、主人公の“声”が初解禁となる超特報映像が公開されました。
主人公は、学校での居場所をなくし家に閉じこもっていた中学生のこころ。ある日突然、部屋の鏡が光り始め、吸い込まれるように鏡をくぐり抜けると、その先にあったのは城のような不思議な建物。そこには、こころと似た境遇の7人が集められていました。城の中には秘密の「鍵」が隠されており、その鍵を見つけた者は、何でも願いが叶うといいます。なぜこの7人が集められたのか。鍵はいったいどこにあるのか。すべてが明らかになるとき、驚きとともに胸をうつ感動のアニメ作品となっています。
超特報映像は、「たとえば、夢見る時がある。転入生がやってくる。その子はなんでもできる、素敵な子」と、主人公・こころのモノローグで幕開け。こころが誰にも言えない秘めた思いを語るこのセリフは、原作の冒頭シーンに登場する印象的なモノローグを引用したもので、その惹き込まれるような透明感あふれる瑞々しい声により、こころのキャラクター像が一気に浮かび上がってきます。そのほか、こころが何処かへ歩き出している足元や、光る鏡に手を触れようとしている手元のほか、7枚の鏡が並ぶ広間、海の上にそびえ立つ城など、さまざまな印象的な情景が映し出されており、本作の世界観が感じられる映像となっています。
控え目でありながらも深く胸に沁みこんでくるようなこころの“声”の正体は、7月28日(木)の続報にて発表されるとのこと。一度聞いたら忘れられないその“声”は、原作ファンならずとも気になるところです。
本作を手がけるのは、『
映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001)、『
河童のクゥと夏休み』(2007)の両作品で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞し、『
カラフル』(2010)では、世界最大規模のアニメーション映画祭・第35回アヌシー国際アニメーション映画祭長編作品特別賞観客賞を受賞、『
百日紅〜Miss HOKUSAI〜』(2015)では同映画祭審査員賞を受賞し、2018年には、
高畑勲監督、
大友克洋監督につづき、アニメーション監督では3人目として紫綬褒章を受章するなど、国内外ともに高い評価を得ている“泣けるアニメーション”の名手こと、
原恵一監督。「監督は孤独だ」と語りながらも「甘美な瞬間がある。それは作品が、自分の思っている以上のものになる予感を感じた時、監督をやって良かった、としみじみ思うのだ。今、『かがみの孤城』という映画を作りながら、そういう予感を感じ、ワクワクと仕事をしている」と本作についてコメントしています。そして、制作は『
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』(2013)、『心が叫びたがってるんだ。』(2015)など、数多くの名作青春アニメを世に送り出してきたA-1 Picturesが手掛けています。
なお、本作への“生徒役声優オーディション”も開催決定。指定のセリフを読む動画を「#かがみの孤城オーディション」を付けてTikTok・YouTubeに投稿すると、生徒役として『かがみの孤城』の世界に入れるかもしれません。募集要項は公式HPよりご確認ください。
[コメント]監督は孤独だ、などと云う。それは実際その通りで、自分は孤独では無い、なんて云う監督は大噓付きか大馬鹿者だし、孤独に耐える覚悟が無い人間は監督なんかやるべきじゃない。スタッフ、キャストの仕事をジャッジして、OK、NGを決め、進むべき方向を示さなければならない。それは個人の意地を貫くことで、故にその責任を負うには孤独である必要があると思うのだ。
そんな監督仕事ではあるが、甘美な瞬間がある。それは作品が、自分の思っている以上のものになる予感を感じた時、監督をやって良かった、としみじみ思うのだ。今、『かがみの孤城』という映画を作りながら、そういう予感を感じ、ワクワクと仕事をしている。――原恵一©2022「かがみの孤城」製作委員会