『バードマン あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡）』（2015）、『レヴェナント：蘇えりし者』（2016）でアカデミー賞監督賞に輝いたアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督による自叙伝的な作品で、本年度のヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に選出された映画『バルド、偽りの記録と一握りの真実』が、Netflixにて12月16日（金）より独占配信されることが決定。このたび、魅惑的な世界観と濃密かつ感動的な“心の旅路”の一端を映し出した日本版予告編が公開されています。

　複数回アカデミー賞受賞に輝いたイニャリトゥ監督が、『レヴェナント：蘇えりし者』以来再び手掛ける長編映画『バルド、偽りの記録と一握りの真実』は、ある男の壮大な心の旅路をテーマにしたノスタルジック・コメディ。監督自身の自伝的要素が色濃く反映された“新境地”の作品で、現実世界なのか空想世界なのか、観る人の心を大きく惑わす世界観が描かれます。

　物語は、米ロサンゼルスを拠点に活躍する著名なジャーナリスト兼ドキュメンタリー映画製作者の主人公シルベリオ・ガマ（演: ダニエル・ヒメネス・カチョ）が、国際的な賞を受賞することが決まり、母国メキシコへと旅立つ場面から幕開け。公開された予告編では、シルベリオが自らの過去にあらゆる問題の答えを求めて、思いを巡らせる様子が映し出されます。生まれたての子供、舞台に立って何かを叫ぶシルベリオ、人々が山積みになる中で一人ポツンと立ちすくむ姿……断片的な描写が次々と映し出される映像からは、“考えるな…感じろ”と言わんばかりのイニャリトゥ監督のメッセージが読み取れます。シルベリオは、母国へ帰る何でもないはずの旅の中で、自らの内面や家族との関係、そして自らが犯した愚かすぎる“過去”などの問題と向き合いながら、生きる意味を見つけていきます。監督の故郷であるメキシコで撮影が行なわれるなど、自伝的要素が多いとされる本作は、数々の映画賞を受賞してきた監督の集大成的な作品になることも期待されています。

　イニャリトゥ監督は、「数年前から私は自分の過去を遡ってみたり、内側から探索したりするようになりました。どの道も捉えどころがなく、まるで迷路のようです。前もってお伝えしておくと、私は今でも自分の過去に絶対的な真実を見つけることはできていません。ただ、そこには現実と想像の間の旅、つまり“夢”"があるだけです。夢は、映画と同じように、リアルに見えても真実ではありません。本作は、その境界が判然としない2つの幻影の間における旅の記録です」と語り、自身が試みた過去の自分と向き合う経験が、本作のテーマとして落とし込まれていることを明かしています。

　本作は、第35回東京国際映画祭のガラ・セレクション部門で上映されることも決定。11月より一部劇場でも公開されます。なお、Netflix映画からは他にも、ジェシカ・チャステイン＆エディ・レッドメインによる戦慄サスペンス『グッド・ナース』（10月26日［水］独占配信）が一部劇場にて10月より公開、ノア・バームバック監督＆アダム・ドライバー出演の『ホワイト・ノイズ』（12月30日［金］独占配信）が一部劇場にて12月より公開、鬼才ギレルモ・デル・トロ監督によるストップモーション長編アニメーション映画『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』（12月9日［金］独占配信）が一部劇場にて11月より公開、スコット・クーパー監督＆クリスチャン・ベール出演の『青白い瞳』（2023年1月6日［金］独占配信）が一部劇場にて12月より公開されます。


Netflix映画『バルド、偽りの記録と一握りの真実』12月16日（金）独占配信