80’sジャパニーズ・ポップスをこよなく愛し、7月には〈FUJI ROCK FESTIVAL’22〉に出演、8月には2度目となる全国ツアーを成功させ、最近ではテレビでも紹介される機会が増えている韓国のプロデューサー / DJの
Night Tempoが、2019年春からスタートした、昭和ポップスを令和にアップデートする“昭和グルーヴ”シリーズの第15弾を10月7日(金)に配信リリースすることが決定。今回取り上げるのは、かねてよりファンを公言している
菊池桃子によるプロジェクト、
ラ・ムー(RA MU)。
ラ・ムーは、1988年、当時人気絶頂だったアイドルの菊池桃子によるバンド。フュージョン・グループ“
プリズム”のサポート・ミュージシャンとしても知られるキーボーディストの
松浦義和が中心となり結成。作詞は
売野雅勇、康珍化、作曲を和泉常寛、編曲を
新川博らが主に手掛け、ブラック・コンテンポラリーとアイドルの組み合わせにより当時としては異色のバンドでしたが、2010年代以降のシティ・ポップ・ブームの中で再評価されています。
菊池桃子を知ったきっかけはラ・ムーだったというNight Tempoが今回選んだ楽曲は、「青山Killer物語」と「少年は天使を殺す」の2曲。「青山Killer物語」は、ラ・ムーの4枚目にして最後のシングルで、1989年2月8日に発売されました。オリコン最高位19位と大きなヒットには至らなかったものの、ファンの間では名曲と評価が高く、Night Tempoもフェイバリット・ナンバーとして挙げるこの曲を当時のマルチ・トラック・データを使用し、渾身のリミックスを制作、フロア映えする仕上がりとなっています。また、今年の〈FUJI ROCK FESTIVAL’22〉でもテスト・プレイし、話題となったナンバーです。
そして、「少年は天使を殺す」は、ラ・ムーの2ndシングル。1988年6月8日に発売され、オリコン最高位4位。その後発売されたラ・ムーが残した唯一のアルバムにして、シティ・ポップの名盤として最近評価されている『
Thanks Giving』にも収録されています。Night Tempoは2010年代後半に個人的な趣味でこの曲のリエディットを制作しネットにアップしていましたが、今回新たにリミックスを施し、公式にリリースされる運びとなりました。アグレッシヴなフューチャー・ファンクへとアップデートされたサウンドで破壊力満点のトラックに仕上がっています。
ジャケットは、ラ・ムーの歴代ジャケットへのオマージュとも言うべき世界観で、Night Tempo自らが制作。
9月上旬にはアメリカのロサンゼルスとサンフランシスコでYung Baeのライヴにゲスト出演。アメリカ人オーディエンスを80’sジャパニーズ・ポップスで沸かせ、また同時期に、NHK『うたコン』に出演し、
細川たかしと「北酒場」リエディットをパフォーマンスするなど、振り幅の広い活動で国内外にインパクトを与えているNight Tempo。時代・国境を越えて評価されているラ・ムーですが、このリミックスでさらにその動きに拍車がかかることでしょう。