さる3月5日(水)、東京「BIBLIOPHLIC&bookunion新宿」にて、音楽カルチャー誌『ヘドバン』によるイベント〈ヘドバントークショーVol.2〉が開催。会場には、“ヘドバン不動産代表取締役”の
掟ポルシェ、“V系魔人捜査隊隊長”の恒遠聖文、そして“懲りない
BABYMETALクレイジーラヴ”な編集長の梅沢直幸が登場し、このたび発売となった『ヘドバン』Vol.3にて大特集されたBABYMETALのファンはもちろん、掟ポルシェが布教するカーカスのファン、そしてガチのメタラーまで、『ヘドバン』の混沌とした世界観を象徴するようなトークショーが繰り広げられました!
なお、
カーカスに関連したもの総てをチェックしないと気が済まない掟ポルシェならではの、マッドなこだわりと愛情に溢れたトークは大フィーバー。恒遠が紹介よる“グラム歌謡”、
西城秀樹「EVERYBODY DANCE」などを聴きながらも、ほとんどカーカス話に終始……でしたが、“活字カーカス”“活字BABYMETAL”という『ヘドバン』の存在意味を象徴する名言も生まれるなど、実り多き一夜となりました!
■
〈ヘドバントークショーVol.2〉より【「カーカス白鷺」?】 恒遠 「(最初に何を目当ての参加かを挙手でチェック)前回よりもBABYMETALファンの方が増えてますね、相変わらずカーカス話を聞きにいらした方も増えて」
掟 「『ヘドバン』VOL.3では単なるマンション“カーカス白鷺”の話を書いたんですけど(笑)」
恒遠 「いや、僕もその話を聞くのが楽しみで楽しみで」
梅沢 「実は『ヘドバン』のツィッターでの反応がBABYMETALに次いで多かったのが、カーカス白鷺の記事なんですよ」
掟 「他の雑誌じゃ書かせてくれないでしょ、不動産物件のことなんて(笑)」
※“カーカス白鷺”とは数年前ネット上で掟ポルシェ氏が発見した東京・鷺宮にあるマンション。本誌では「なぜカーカスなのか? 大家さんがカーカスのファンなのか? カーカスとの関連は? などの謎を探る」として実際にその物件に関して、掟氏、梅沢編集長がカーカスの音源の日本発売元代表と共に現地取材を行ない、不動産屋や住人にまで話を聞くなどしてかなりのページを割いた記事を掲載している。 恒遠 「普通の雑誌だと、写真1枚撮って載せて終わりの企画ですよね」
掟 「現地取材&座談会までやって、原稿の文字数のオファーがなんと4,500字! 本当にマッドな編集長です。で、しかも謎は全然解決していない(笑)! いろいろ調べてもハードルが高くて調査が行き詰まってしまって。ま、それくらいちゃんとしたマンションなんですよ」
【活字カーカス、活字BABYMETAL】 梅沢 「掟さんが広めてることもあって、カーカス人気がすごいことになってます」
掟 「昔では考えられなかったことですよ。この20年でかなり状況も変わったし。だって、アルバム『サージカル・スティール』とか『BURRN!』誌の人気投票でアルバム部門1位でしょ、ギタリストでも1位、バンドも3位!」
梅沢 「そんなカーカスが5月に来日します」
掟 「ゴールデン・ウィーク中全部で5公演あるので、どうしても外せない用のある日以外の4公演は行きます!」
恒遠 「僕、カーカスは掟さん効果で聴き始めましたから」
梅沢 「カーカス白鷺の記事からカーカスを聴こうという女子高生もいるし(笑)」
恒遠 「プロレスで言う“活字プロレス”ですよね。実際に試合を見なくても活字になった物を読むだけで成立するという。知り合いでカーカスを聞いたことはないけど記事を読んで既にカーカスのファンになった人もいます。これって“活字カーカス”ですね(笑)」
梅沢 「メタルのバンドでは初じゃないですか。聞いたこともないのに活字から入ってくるというのは」
掟 「ルックスから入るというのはありましたけどね、物件からというのは(笑)。俺、メタルってほとんど聴いてないです、カーカス以外のデスメタルのことは全然知らないし」
梅沢 「今号、
伊藤政則さんに“セーソク学園”という企画で実際に講義をしていただいて、そこで伊藤さんと掟さんが真正面に対峙している図をカラーページで掲載したんですね。いやぁ、あれほどいい光景はなかったですね」
恒遠 「長髪だけどメタルの匂いがしない人と、片やメタルの匂いしかしない人(笑)」
【『ヘドバン』Vol.3の評判は?】 梅沢 「今回の『ヘドバン』Vol.3では、“メタル濃度が低い”という声がツイッターでありました。でも『ヘドバン』はメタルの最前線を扱っているわけじゃないですから」
掟 「メタルの中でも、“これ取り上げていのか?”って分からないところ、例えばBABYMETALとかを取り上げるから面白い」
恒遠 「BABYMETALの武道館はどうでした?」
梅沢 「センター・ステージでオール・スタンディング。観客がスゴい数でした。魔法陣とかステージの真ん中部分がせり上がるとか、カッコよかったしメタルって感じでしたね」
掟 「BABYMETALのやってることは凄いですよ。メタルにしろアイドルにしろジャンルとして恥ずかしかった時代が長かったものを合体させて、さらに新しいものにしていくなんていうのは、凄く夢のある話じゃないですか」
梅沢 「今回の『ヘドバン』はその部分を誌面でやった感はあります。BABYMETALのアルバム・リリース・タイミングでしたけど、全体を“異種格闘技戦”というくくりにして、他の登場メンバーを考えた構成にしました」
恒遠 「
浜田麻里さん、西城秀樹さんですからね」
掟 「なんの雑誌だかわからない、メタルって言われても困るし(笑)」
梅沢 「小室哲哉さんも違うし(笑)。でも、よく読むとどこかでつながっている……というのを読んで欲しいですね。西城秀樹さんは“メタル歌謡”の始祖として登場していただきました」
恒遠 「ヘドバンでやりたいのはそういうことなんですね。“活字カーカス”とか、“活字BABYMETAL”とか」
梅沢 「メタルも語りたいし、アイドルも語りたい。本人たちが話さないから周りは余計に語りたくなる。そこが一番おもしろいかな」
【『ヘドバン』次号の予定は?】 梅沢 「カーカスの記事も考えてるんですけど。時期的に原稿の締め切りが」
掟 「そう言われても、俺、見るのが忙しいからなぁ。原稿書くのは悪いけど二の次(笑)」
梅沢 「お願いしますよ(笑)」
恒遠 「僕は“V系魔人伝”が連載になったんですけど、思わぬ落とし穴に気がついて。80年代っていろんな魔人バンドがいたんですけど、今写真を見るとみんな結構地味なんですよ(笑)」
掟 「でも、プロモ・ビデオとかって結構派手でしょ。目からビームを出すのって魔人の定番だし(笑)」
恒遠 「だから昔の魔人より、掟さんが前号で取り上げたShitfuckerとかを世に出した方が面白いですよね」
梅沢 「再開した伊藤政則さんのセーソク学園はガチで参加者募集してます」
恒遠 「あと、カーカス情報があれば掟さんに」
掟 「“カーカス白鷺に住んでる”“なぜカーカス白鷺という名称なのか”とか知ってる方がいたら是非!」